天童市に伝わる民話「姥捨て山」はじゃがらもがらが実際に地名としてでてきます。今は周囲の開発も進んでだいぶ近くまで車で行けますが、雪の中道なき道の果てに置いていかれたら高齢者の人は帰ってくるのが困難だったんでしょうね・・・・
昔天童村さ、おっつぁん(父親)とおっかあ(母親)、10くらいになるヤロコ(男の子)と婆様と、四人で暮らしている家族があった。
ある凶作の年のこと、殿様が
「働けない年寄りはジャガラモガラに捨ててもいい」というお触れを出した。
それを聞いたおっかあは、意地になって婆様に飯を食わせなくなって
「おっつぁん、婆様をなんとかしてけねが(ジャガラモガラに捨ててくれないかの暗喩)」と頼んだ。
いくら殿様のお触れでそんなこと言われてもおっつぁんは自分の親だから、どうしようもなくて知らないフリをしていた。
「おつぁん、婆様、米びつから米を盗み食いしたり、床の中で生米をかじっているからなんとかしてけろ」
そんなことを婆様がするわけがないし、自分の親だから、捨てるわけにはいかないとまたおっつぁんは知らないフリをした。
「おっつぁん、婆様をなんとかしてくれないんだったら、俺は実家に帰らせてもらう」
まだ年端のいかないヤロコと婆様を置いていかれると困ったことになると、おっつぁんは
「ばさま、俺とジャガラモガラさ行くか。」
と言ったら、婆様は
「ええよー」
と返事をした。おつぁんが婆様をおぶって行こうとすると、ヤロコが
「おっつぁん、俺も連れて行ってくれ」
と言う。
「子どものついてくるところでない、ダメだ。」とおっつぁんが言うと、
「おっつぁん、俺ら婆様の行くところ見ておかねばならないから、なんとしてもついて行く」
と聞かなかったので、仕方なく婆様をおぶい、ヤロコを連れてジャガラモガラに向かった。
山奥の沢に行って、大きな石だの、大きな木のあるところに婆様をおろしたら、ヤロコが婆様にしがみついておんおん泣き出した。そしたら婆様は、
「ほれほれ、いつまでも泣いていたってきりがねえ、晩方になるから早く帰れ」と言った。
おっつぁんが
「ヤロウ、暗くなるからうちに帰るぞ」と言うと、
「おっつぁん、ちょっと待ってけろ」と、ヤロコはあたりをきょろきょろ見渡している。
「お前なしてそんなに大きな石だの大きな木だの見てるんだ」
とおっつぁんが聞くと、
「おっつぁんは強いな、婆様ば、こんな寂しいところさ置いて、よく泣かないで帰れるなあ、
俺らだったら、おっつぁんとおっかあば連れてきたら、とてもこんな寂しいところに置いて帰れない。
ほんでも俺ら今度ここさ、おっつぁんとおっかあば連れてこなければならないから、ちゃんと見て帰るんだ」
それを聞いておっつぁんは、
(あー、ほーがあ、俺が婆様ば置いていくっていうことは、今度は俺とおっかあも、このヤロコに此処さ捨てにこられるんだー)と子どもに教えられた気持ちになり、婆様をおぶって再び連れ帰った。
その話を聞いたおっかあも反省して婆様を置いてこいと言わなくなったと。
あるとき、仙台の殿様から天童の殿様に
「あぶく(灰)で編んだ縄と、打たないでも鳴る太鼓を持って来い。持ってこれなければお前の国を盗ってしまう」と手紙が来て、天童の殿様は
「あぶくで編んだ縄と、打たないで鳴る太鼓をもってきたものには、望みの褒美をとらす」と立て札をたてた。
我こそはと誰もが作ろうとしてみたが、誰も作れないでいたところ、おっつぁんが
「婆様、こうこうしかじかで国中大騒ぎになってんだけども、なんとしたらいいべ」と聞くと、
「ほだなこと、簡単だ、あくで編んだ縄は、まず縄を固く編んで、ほれば三日三晩塩水につけて焼いてみろ、あくで編んだ縄が出来るベー、打たないでも鳴る太鼓は、太鼓にちっちゃい穴ぼこあけて、そこからせぇんつ(便所)の虻を入れてやれ。そうすっと虻がぶんぶんって中で飛んで、太鼓の皮にぶつかってどんどんってなんべな。」
おっつぁんは婆様の言うとおりにこさえて、早速殿様のところに持っていった。殿様は喜んで、
「約束の褒美をとらす、何でも申してみよ」と言った。
おっつぁんは、
「殿様、このあくで編んだ縄と、打たないでも鳴る太鼓は、実はうちの婆様が教えてくれたんだす。殿様、年寄りばジャガラモガラさ投げる(捨てる)のばやめてけろ」
と頼んだ。殿様は、
「余が悪かった。これからは年寄りは国の宝とする。」と言って、それからは天童の織田藩では凶作でも年寄りを大事にする国になったんだと。
どぅーびんと。
年寄り捨てに行く→子どもが「自分たちも親を捨てなければならない」という→気づいて捨てるのを辞める→年寄りの知恵で助かる
っていうのは天童の姥捨て伝説以外にもよく見られる構造ですが、「ジャガラモガラ」という実際の地名があることで史実性(?)が増してる気がします。
じゃがらもがらについてはこちらのブログに場所や光景が詳しく紹介されてますよ。
涼しい風が吹いている摩訶不思議なジャガラモガラ
6月25日公開の「デンデラ」という、岩手の姥捨て山伝説が元になった映画で思い出して書いてみました。
しかし、予告見る限り姥捨て山というより「アマゾネス」なんではないかなこの映画
