昔、とっても酒好きの殿様がいたっけど。
誰かと大酒飲みの競争がしたくなって「俺と酒飲み比べをして勝ったら褒美を遣わす」とお触れを出したら、あっちこっちから酒飲み自慢の衆がきて殿様と呑み比べをしたけれども、誰も殿様に勝てなかったど。
殿様、「やっぱり俺が一番の酒飲みだ」と大威張りしていたが、ある日、真っ赤な顔でニコニコあいた大男がやってきて、酒飲み比べをするという。
さっそく大杯で酒飲み比べをはじめたが、なかなか勝負が決まらない。
そのういち、大男のほうは飲めば飲むほど調子が上がってぐんぐん飲むけれど、殿様のほうはだんだんふらふらしてきて、大杯のはんぶんを呑み残してしまった。大男はゆうゆうと飲んで、まだ余裕があったんだと。
殿様は
「負けだ、お前は日本一の酒飲みだ、褒美をやろう」
って大男に褒美をやった。そしたら大男は、
「実は、俺は海に住んでいる猩々だ。
酒をなんぼ飲んでも飲んでも出てくる杯があるさげ。」
と、おっきな杯出して、酒どんどん出してみんなに飲ませ、自分も飲みながら舞を舞って海のほうに帰っていったど。
これが、黒川能に出てくる、大酒飲みの猩々の昔話だって聞いたもんだ。
とんびらりねっけど。
楽しくていい妖怪ですね!!うちにも来て欲しいです!
黒川能 というと山形県では結構有名ですが、行ったことはなかったです。その中にもこんな楽しい妖怪話があるとは、やはり一度行ってみたいなあ。