昔、昔、あったけど。
山形の西のほうに、田んぼつくりの百姓がいた。
百姓のうちには、働き者のかが(妻)と、怠けてばかりいるおど(夫)が暮らしていた。
秋になり、稲刈りが忙しくなると、かがは朝早くから夜遅くまでかせいで(働いて)いた。
かがは、「おど、明日少し稲刈り手伝いしてけろや」と頼んだら、おどは「ああ、いがんべ」と、翌日昼頃から手伝いした。
かがは、早く稲刈りを終わらせたいと、一生懸命かせいだけれど、夕方近くになってしまった。
かがの稲刈りは早くて、おどのそばさきて、おどの足さ手がかかったとき、おどの足は刈り取られておったど。
おどは片足で田圃の真ん中に立って、「かが、足だ!」と大きな声で叫んだが、どうしようもなかったど。
それ以来、田圃や畑に一本足で立っている、おどの姿をしたものを、「かが足」・・・・カガシと呼ぶようになったんだと。
ドンビンサンスケ
こちら の話が原題ですが、なんともなく「足刈っちゃった!」な平然とした感じが逆にこわいんですけどおおおおお!!!!!
民話は何気に残酷なことをぽいっと平気で言ってたりするのでぞぞっとさせられたりしますね。
昔見た心霊番組では、「稲刈りの最中に、一息つこうと思って首にかまをひょいっとかけた拍子に、おぶっていたあかんぼうの首がぼとりと落ちて、呆然として次に自分の首にかまをふるって自殺した」百姓の若妻を供養した「首なし地蔵」の話を紹介していましたが、そういう話から伝わるのは「恐れ」じゃなくて「悲哀」だったりしますね。
この民話も軽い調子で語られてはいますが、夫の足を刈り落とすまで気がつかないほどの忙しさって悲惨だよなあ・・・・って、かが(妻)に同情してしまいます。
