ジキです。

 

マスクに感染症予防効果がないことを

理解されている方には

つまらない議論ですが、

判決に

マスク不着用教員を別室勤務させることに

合理性があると書かれたので、

今回は

健康な人がマスクをつける意味

について考えてみたいと思います。

 

  マスクをつけていても感染する

 

ジキは障害児童施設の一画にある学校に勤めていますが、

この一週間、

児童が一斉にインフル陽性になったので、

出停のため児童生徒が誰もいませんでした。

施設職員も1/3程度が陽性になり、

かなり大変だったようです。

 

施設職員は厚労省管轄なので、

文科省管轄の我々と違い、

がっつりマスク着用を毎日行っていました。

にもかかわらず多数の陽性者を出しています。

 

一方、

我々の半数は不着用で業務を行っておりましたが、

1人も陽性者は出ていません。

 

この事実からも、

マスクは自身の感染を予防しないことが分かります。

 

ちなみに感染という現象は、

さまざま矛盾を抱えているので、

実際に存在する現象と考えるのは

科学的に無理がありますが、

ここでは便宜上、

この感染という用語を

病原体が宿主に侵入し増殖すること

という意味で使います。

 

明らかにマスクは感染を予防しませんが、

では伝染を予防するのでしょうか?

ここで伝染は、

宿主1から他の宿主2へ病原体が移動し宿主2で感染が成立すること

という意味で使います。

 

  厚労省にはあまり情報がない

 

厚労省HPを調べてみましたが、

伝染を予防する効果について明確に記述しているものがありませんでした。

その中でも、

Q&Aに以下のように書かれています。

 

 

文字の色及び太字はジキによるものです。

問1 マスクはどのような効果があるのでしょうか。

  令和5年2月8日の第116回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードにおいて提出された資料において、以下の内容が示されています。
マスク着用に関する研究を解析した結果では、マスクを着用している人の週あたり感染リスクが着用していない人の0.84倍に低下することが知られている。観察期間を2週にすると、マスクを着用している人の感染リスクはマスクを着用していない人の0.76倍に低下すると推定される。これはマスクを着用することによって自分が感染しないための効果に相当する。
米国における研究では、マスクを着用している人が10%増加するにより、そうでない場合と比較して流行を3.53倍制御しやすくなる(マスク着用率が10%上昇することによって、実効再生産数が1未満に落ちて流行が制御下に置かれるという度合いが3.53倍だけ増す)と推定されており、流行対策の一部としてマスク着用が有効であることが示唆されている。 

まず、

青字の部分は自身の感染予防についてですが、

マスクを着用しても感染リスクが0倍にならないので、

マスクを着用しても感染することを意味しています。

 

次に赤字の部分ですが、

このデータだけではマスクを着用して伝染が起きないことを

読み取るのは困難です。

しかも、

「推定」「示唆」と書かれていますし。

 

厚労省の資料で

「マスク着用の有効性に関する科学的知見」

というのがあります。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001055263.pdf

 

この中で次のように書かれています。

〇新型コロナウイルス感染症の対策では、原則として有症状者に着用を推奨していた従来と異なり、コミュニティ全体で症状の有無に関わらずマスク着用が推奨されたり、義務化されたりすることがあった(universal maskingなどと称される)。それは、上述の通り、無症状の感染者から2次感染が起こり、また、多くの感染者が発病前に感染性を有するとき、自宅以外での屋内空間で他者を感染させる性質があるためである。感染者が不織布マスクを着用することによってこのような2次感染のリスクは軽減され得る(これは他者に感染させないための効果に相当する)。本課題に関する論文21編を系統的にレビューした研究によると、マスク着用をコミュニティ全体で推奨した際、新規感染者数、入院患者数、死亡者数をそれぞれ減少させる効果があることが示唆された[7]。バングラデシュにおける地域レベルでのクラスターランダム化比較試験では、マスク着用によるコミュニティの感染リスクの低減を認めたが[8]、着用勧奨段階でのバイアス混入の可能性も指摘されており因果関係は十分に立証されているわけではない[9]。小中学校においては、米国マサチューセッツ州の15週間に渡る観察研究で、マスク着用の義務を解除した学校と義務を継続した学校の児童やスタッフを比較した時、着用義務を解除した学校では感染リスクが1000人あたり44.9人(95%信頼区間:32.6-57.1)増えたと報告されている[10]。

ここで用いている感染リスクの意味が分からないのですが、

伝染の可能性が「低減」すると捉えていいように思われます。

つまり、

マスクを着用すると不着用よりも伝染する可能性が低減するのであって、

ゼロになるわけではない。

つまり、

着用しても伝染するということになります。

 

  健康な者が病原体を排出する可能性

 

陽性ではない健康な者がどれだけ病原体を排出するのでしょうか。

 

新コロの場合ですが、

Q&Aに以下のように書かれています。

文字の色や太字はジキによるものです。

問3 新型コロナウイルス感染症は、他の人にうつすリスクはどれくらいありますか。

 新型コロナウイルス感染症では、鼻やのどからのウイルスの排出期間の長さに個人差がありますが、発症2日前から発症後7~10日間は感染性のウイルスを排出しているといわれています(参考1) 。
 発症後3日間は、感染性のウイルスの平均的な排出量が非常に多く、5日間経過後は大きく減少することから、特に発症後5日間が他人に感染させるリスクが高いことに注意してください(参考2)。
 また、排出されるウイルス量は発熱やせきなどの症状が軽快するとともに減少しますが、症状軽快後も一定期間ウイルスを排出するといわれています。
 
 (参考1):国立感染症研究所のデータによれば、感染力のあるウイルスを排出する患者の割合は、症状が続いている患者も含め、発症日を0日目として8日目(7日間経過後)で15%程度、11日目(10日間経過後)で4%程度となります。
 
 (参考2):国立感染症研究所のデータによれば、感染力のあるウイルスを排出する患者について、発症日を0日目として3日間程度は平均的に高いウイルス量となっていますが、4日目(3日間経過後)から6日目(5日間経過後)にかけて大きく減少し、ウイルスの検出限界に近づきます6日目(5日間経過後)前後のウイルス排出量は発症日の20分の1~50分の1)。一般に、ウイルス排出量が下がると、他の人にうつしにくくなると言われています。

まず、

(参考1)についてですが、

発症してから10日経過後で

ウイルスを排出する患者の割合が4%、

つまり、100人のうち96人は排出しないと言っています。

発症していない場合であれば、

更にこの割合は減るでしょう。

 

(参考2)では、

発症日から6日経過すると、

ウイルスの排出量が検出限界に近づくと言っています。

数値的には、

発症日の1/20~1/50です。

発症していない場合であれば、

更にこの排出量より下回るでしょう。

 

そして、

ウイルス排出量が下がると、

他の人にうつしにくくなる

と書かれています。

したがって、

発症していない者は、

伝染しにくいということです。

 

  ここまでのまとめ

 

マスクを着用していても自身の感染は起こり得ます。

また、伝染も起こり得ます。

発症していない健康な者は、

少なくとも100人中96人はウイルスを排出せず、

排出していても検出限界以下で伝染しにくい。

 

仮にマスクが伝染の可能性を低減するとして、

そもそも伝染しにくい状態からどの程度

低減するのでしょうか。

ほとんど変わらないでしょう。

どちらにせよ検出限界値以下であることは

間違いありません。

 

また、

発症して間もないマスク着用者と、

発症していないマスク不着用者を比較して、

どちらが伝染可能性が低いのでしょうか。

発症していない人の100人中96人以上は排出しておらず、

排出していたとしても検出限界値以下です。

 

  マスク不着用者だけを別室にするのは合理的ではない

 

ジキは、

マスク不着用者という理由で別室勤務にされたわけですが、

上記の理屈で考えれば、

発症した人も例えマスクを着用していようとも、

伝染する可能性があるのだから別室勤務にするべきです。

 

逆に、

発症していな人がマスク不着用だとしても、

ウイルス排出量は、

0以上検出限界値未満ですから、

ウイルス排出量が下がると、

他の人にうつしにくくなる

の説明からすれば

ほとんど伝染しないと考えるのが

合理的です。

 

  健康な人が感染しているという意味

 

健康な者がウイルスを排出するという

主張の根拠は不顕性感染です。

つまり、

症状が出ないで感染している状態です。

 

この矛盾した主張はこれまでに

説明してきたところですが、

繰り返します。

 

単純に感染しても症状が現れないのであれば、

その病原体には病原性がないことを意味し、

その感染因子は病原体ではないことを意味します。

 

また、

免疫が働いて症状が抑えられている

という説明がありますが、

仮にそれが正しいとしても、

ウイルス排出量は

0以上検出限界値未満ですから、

伝染しにくいことが言えます。

 

  まとめ

 

厚労省の説明から、

発症していない健康な者が

マスクを着用することの意味について

考えました。

 

マスクを着用していても、

感染はするし、

伝染は起こります。

 

一方、

発症していない健康な者の

ウイルス排出量は

0以上検出限界値未満であり、

マスクを着用しても

大幅な排出量の低減が期待できるものではないです。

何故なら、

そもそも微量だからです。

 

逆に発症している者や

発症が収まってから間もない者が

マスクを着用していても、

マスクは伝染を完全に防がないので、

ウイルス排出量は0以上であり、

マスク不着用の健康な者の排出量との差は

たかが知れたものとなるでしょう。

 

また、

発症していない健康な者が

仮に感染しているとしても、

その感染因子には病原性はありません。

 

したがって、

発症していないマスク不着用者が

他者の命を奪うような危険性があるという主張は、

かなり無理があります。

 

伝染する可能性が0ではないという意味で、

危険というのであれば、

マスク着用者も同様であり、

全員が別室勤務を命ぜられることに合理性があります。

 

伝染する可能性の程度の問題であるならば、

どこから危険など言えるわけもないので、

程度を問題にして別室勤務を命じることは

合理的ではないと言えます。

 

であるならば、

伝染する可能性が0ではないという意味で、

立場に大きな差がない者たちの中で、

別室勤務になるかならないかの基準は、

マニュアルや通知に従っているかいないか

でしかないことになる。

すなわち、

指示に従うおりこうさんは職員室で、

指示に従ない困ったちゃんは別室で、

という意味になる。

それを裁判所は合理的と述べたということです。

 

以上です。

 

さて、

裁判官の言う「合理的」って何なんですかね?

 

今回はここまでとします。

最後までお読みいただきありがとうございましたウインク

また、お会いしましょう照れ

したっけねーパー笑い