空の怪しい雲を見つつ、傘を手に電車に揺られていた。
隣のインド人カップルの女の子がとても可愛くて、
いいなぁ。
なんて思っていたら、向かいの席のおじさんに声を掛けられた。
その日は、久しぶりに履いた靴で靴擦れをしていて、親指らへんから血が出てた。
もしや・・・
血だらけ??
とか思いつつ、
おじさんの示す方へ目を向けた。
!?
デニムを履いた私のひざ小僧に「コガネムシ」がいた。
しかも結構デカイ!!
全然気づかなくて、本当はあまり怖くなかったけれど、ティッシュを出そうとしたら、おじさんに傘を取られた。
??
コガネムシを傘へ誘導。
自分の靴の下へ誘導。
・・・
オジサン、殺さないでね!!
と思っていたら、おじさんは片足をちょっと上げたままニコッと傘を返してくれた。
おじさんと横並びに座っていた家族も、私の隣の女の子も、何故か皆で目を合わせて「ニッコリ」していた。
こーゆぅ温かい感じっていいなぁ。
なんて思っていたら、次の駅まで意外と長くて、
飛びませんように。と、踏みませんように。
を繰り返し願いつつ、5分くらいして駅に着いた。
懐かしの ケンケン をしつつ、コガネムシを逃がしに行くおじさんは、どこか誇らしげで、
私と隣の女の子は二人で頷きあって、おじさんの席を取ろうとした別のおじさんは、家族が指差す方を見ながら、
ニッコリとしていた。
私は降りるときにおじさんにお礼を言った。
おじさんはニッコリ微笑んでくれた。






