先日父と、弟と久しぶり食事に行ってきた。

 

父と会うのは本当に6.7年ぶりのことだった。

 

遅れてきた反抗期というか、本当に父が心の底から嫌いになり、思い出すと考えるとムカムカする時期がずっと続いていた。

出先で、自分の思い通りにいかないと大きな声で店員にキレたりするところ。

店員に対して迷惑な態度をとってそれを笑い話で話してくるところ、そういうことが数度あり、当時の私はその人間性に

本当に嫌気がさしたのだ。

 

そもそも私も未熟だった。父のことを金のなる木にしか見てなかった。

毎月お小遣いをもらうためにまぁ面倒くさくても父の食事、飲みに付き合っていた感じだ。

一緒に過ごせば飯代は浮いてうまい酒も飲めるという具合に。

 

自分のことも父のこともそれら含めてぜんぶ嫌になった。

そんな時期があった。

 

 

この6.7年の間に父が大病を患い、病院に入院して退院した旨が連絡着た時も無視。

誕生日おめでとうの連絡もあけましておめでとうの連絡もとにかく鬱陶しかった。

全部弟に丸投げして、正直言うと早く人に迷惑かけずに死んでくれとも思っていた。

 

 

私が小学校5年生の頃だ。

父と母は離婚した。

父が金遣いが自分本位で家に入れるということをあまりせず、好き勝手してきたことに

母がいよいよい嫌気がさして離婚したという感じだった。

別に消費者金融に借金してそれの保証人になった、といいうようなトラブルはなかったが、私の中ではこの男に関わっているといつかそういう迷惑をこうむるんじゃないかという漠然とした不安もあり続け、不幸の種がずっとあり続けているような気もして

とにかく関わりたくなかった。

 

 

 

今年の3月頃だろうか。

弟から、父が病院から入院勧告を受けていること。

弟の見解だともう長くないと思うということを聞いた。

それを聞いてもあぁそうか、という感じった。

ようやくか、とも思った。

 

 

そこからさらに1か月後、父本人から、

父が今努めている不動産の会社で業績が1番になったんだ、というような連絡がきた。

 

 

弟からの連絡でもう長くはないんだということと、

ちゃんと仕事を続けられてなかった印象だったのだが、同じ会社に長く勤め、自分の仕事を頑張っていたんだなということを

感じた時、不思議なことに今まで感じていた嫌な感情が和らいでいる自分を感じたのだ。

 

久しぶりに飯でも行かないかと言われ、最後の親孝行かもしれないという気もしてokの返事をして食事に行くことにした。

 

 

場所は原宿のなかなか高級な焼き肉屋を予約され、今までそんなことをする父ではなかったので

本当の本当に死ぬフラグ立ちまくりの中久しぶりに会った父は、以前の病気と入院から非常に痩せていたが

小奇麗にスーツを着こなし、ちゃんとした営業マンのなりで原宿の街並みにも浮く感じはなくフツーに元気でお調子者で

うぜぇ禿おやじだった。

弟もどうやら勘違いしてたようで、ひとまず精密検査で数日入院ということだったらしい。

勝手な拡大解釈だったようだ。

 

 

 

弟と先に合流してから父と会うまでの数分間、非常に憂鬱だと弟に愚痴をこぼし続けていた私だが、

顔を見た瞬間、今まで会ってなかった期間なんだったのかというくらいフツーにはなせている自分がいた。

今度は旦那もつれて会いに行ってもいいかな、と思えるくらいにはフツーの距離感で話せている自分がいた。

 

 

会ってよかったと思う。

長年心のどこかでつっかえていた「このままでいいんかな」という、時折襲うモヤモヤとした小石のようなものが

本当に消えた気がした。

 

 

時間がたって、いろんな出来事や感情を忘れていることに気が付いて、そんな自分に悲しいなぁと感じることも時折あるけど、

忘れていくことによって生まれるいいこともあって。

 

 

 

それも悪くないもんだなぁと思えた出来事だったなぁ。