Book Review:『図書館の神様』
映画『幸福な食卓』の原作でも読んでみようと瀬尾まいこさんの作品をチェックしていて
あえて違う作品から読んでみようかな~
と思って手に取ったのがこの本。
タイトルが「うむむ??」(ニヤリ)ですもんね♪
夢も情熱もなく
なんとな~く高校の講師になってしまった
主人公・清(きよ)。
清が顧問をする
文芸部の唯一の部員・垣内君との交流が話の骨になっていますが
この2人のシーンが実にいい味!
清のやる気のないだらっと感。
そんな清をさらりとクールにかわす垣内君。
文章がとにかくストレートで自然なので
2人の会話の呼吸がグングン読みこめてとても心地いい。
作家でありながら高校講師として教壇に立っているという瀬尾さん。
それゆえの臨場感でしょうかね。
そんな瀬尾さん自身にも非常に興味あり!
実際、どんな先生ぶりなんだろう・・・?
とにかく、さくさく読めて爽快でした。
意図的に難解な文章を書きたがる女流作家が多い中
「文学って、こ~ゆうんでいいんだよなあ」と改めて感じさせられる作品。
瀬尾さんの他の作品が無性に読みたくなってきます。
そして文学といえば・・・終盤で垣内君が語る言葉。
『文学を通せば、何年も前に生きてた人と同じものを見れるんだ。
見ず知らずの女の人に恋することだってできる。
自分の中のものを切り出してくることだってできる。
とにかくそこにいながらにして、たいていのことができてしまう。
のび太はタイムマシーンに乗って時代を超えて、
どこでもドアで世界を回る。
マゼランは船で、ライト兄弟は飛行機で新しい世界に飛んでいく。
僕は本を開いてそれをする。』
言っていることは文学を語る上で使い古されてはいるけれど
こういう風に言われちゃうと
素直に「カッコイイなあ!」「文学ってイイなあ!」と思っちゃいました。
私は正直、文学部出身のクセに、文学にこれほどの思い入れはなく
「本」という媒体に、そこまで自分を委ねることもありませんでした。
というのも、文学部時代に
「作品をヘンに深(裏)読み(=ヘリクツ解釈)する癖」がついてしまって
文章が純粋に紡ぎださんとするものを素直に受け取れなくなってしまったんですね。
ですから大学を出てかなりの年数、小説などはほとんど開きませんでした。
でもここ近年、なぜだか自然と手が伸びるようになってきました。
なんでしょうねえ。
30もとうに過ぎて、昔に比べれば私もだいぶゆる~~くなってきてますからね(笑)。
だからさっきの垣内君の言葉なんかにも素直に
「なるほど~。確かに素敵じゃん、本って」
なーんて感じ入ってしまうんですな。はは。