クリニークの噂

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見物席は色めき出し、お祭り気分が漲り初めると、舞台の方も自由になりだした。モドキ道化の舞役も出て来た。
 何という神楽なのか釣ばりを咽喉にひっ懸けて苦しんでるモドキを大国主命か誰か出て来て除ってやる滑稽な仕草と対話のある神楽が演じられる頃になると、見物の間には爆笑と歓呼とが伝わり、だんだんと狂言小屋や、角力場のような光景に化して行った。
 初めは男ばかりの演舞であったがとうとう女役が登場しだした。見物はそれを待っていたのだ。
 いの一番にあらわれた神楽乙女は鈴子であった。
 彼女は金色の冠をかぶり、千早を着てあらわれた。そして、片手に三方をささげ、他の手に木綿紙手を持って美しく清々しく舞った。地は笛と締太鼓に銅拍が加わったのが躍動的でよく乗った。
 私は息を凝らした。

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