障害者支援施設でよくある
「利用者が掲示物・印刷物を欲しがる」「持ち帰りたい」「譲ってほしい」という場面に対しては、




掲示物・印刷物の譲渡に関するルール提案

(行動契約法を活用した支援ベース)

1. 背景・課題

施設内の掲示物や印刷物について、

  • 「欲しい」
  • 「持って帰りたい」
  • 「はがしたい」
  • 「自室に貼りたい」

という希望が利用者から出ることがある。

一方で、

  • 他利用者との公平性
  • 個人情報保護
  • 掲示機能の維持
  • 無断持ち出し防止
  • 破損やトラブル防止

といった観点から、一定のルール整備が必要。


2. 支援の基本方針

禁止中心ではなく、

「ルールを守れば希望を叶えられる」

という成功体験を重視する。

行動契約法の考え方を用い、

  • 事前に約束を明確化
  • 守れた際の達成感
  • 見通しのある対応

を支援の土台とする。


3. 行動契約のベース例

利用者との約束

① 勝手にはがさない

掲示物は職員に確認してから扱う。

② 欲しい時は言葉で伝える

「ください」
「コピーできますか」
など、要求方法を統一する。

③ 譲渡できる物・できない物を分ける


4. 視覚的ルール化

利用者が理解しやすいように、

  • ○×表記
  • 色分け
  • 写真付き
  • 「持ち帰りOK」マーク

などを導入する。

例:

  • 緑シール → 持ち帰り相談OK
  • 赤シール → はがさない


5. 行動契約シート例

約束

  • 職員に確認してからもらいます
  • はがしません
  • 欲しい時は言葉で伝えます

守れたら

  • コピーをもらえる
  • 配布終了後にもらえる
  • 好きな掲示を選べる日がある


6. 支援上のポイント

「収集欲求」の理解

単なるわがままではなく、

  • 安心材料
  • こだわり行動
  • 見通し確保
  • 好きな物への執着
  • 不安軽減

として機能している場合がある。

そのため、
完全禁止よりも

「適切に取得できる仕組み」

を作るほうが安定しやすい。


7. 施設運営上のメリット

  • 無断持ち出し減少
  • 職員対応の統一
  • 利用者間トラブル予防
  • 見通し支援になる
  • 自己コントロール学習につながる


8. 将来的な展開

  • 「欲しい時は申請する」
  • 「順番を待つ」
  • 「譲れる/譲れないを理解する」

など、地域生活に必要な社会的ルール学習にもつながる。

また、
本人の「好き」を支援資源として活用できる可能性もある。