ね、そもそもさ、欠けてなんかいなかった。


人とはちょっと、いや結構違った?歪な形のわたしだっただけだったよ。


その他大勢の形と違って、それが欠けているように見えて…


必死でみんなと同じ形になるようにした。


こねくり回して、丸みを浴びさせようとしたり、出っ張っているところを押し込めようとしたり、もちろん欠けて見えるところは一生懸命何かで埋めて隠そうとした。


そうしているうちに、だんだん自分が嫌いになっていった。


最初は人と違う自分、一緒のことができない自分を嫌ったのだと思ったけれど、その実その自分をダメとしてありのままを壊そうとする自分、嘘で塗り固めようとする自分が嫌いになっていた。


だって、どんなに削ったりくっつけようとしったって、元にある土台の自分は変わらない、自分なんだから。


痛かったなぁ、悲しかったなぁ。


誰よりも自分に認めて欲しい、このままを受け止めて欲しいと思っているのに、外に他人にばかりそれを求めていたんだから。


もちろんそんなこと、叶うはずないよね。


だって『そのままのあなたが素敵だよ』って、言ってくれる人がいたって、「そんなの嘘だ」って後から出て来た自分が外側の自分が言うのだから。


辛かったなぁ、寂しかったなぁ。


でも、その自分も自分を守ってくれようとしたんだよね。


むかしむかーしのどこかの記憶でその思い込みを作ってしまったわけなんだけど、それも愛、あれも愛…って、どっかの歌みたいなものだっただけなだよね。


でももう知ってるよね、気づいちゃったよね。


だからその自分も許そう。


頑張って普通をやり切ろうとした自分も、それでも上手くいかなかった自分も、まだ怖くてそれにしがみつこうとする自分も、全てまるっと認めよう。許そう。


話はそれからだ。


なんて仰々しく言うまでもなく、あとはありのままの歪で魅力溢れる自分を受け入れて、今度は大事にでも勿体ぶらずに、そのまま外の世界と接しよう。


最初は怖いかもしれない、その薄い膜は敏感に感じ過ぎてしまうかもしれないけれど、もう傷つくことはない。


“傷つく”事にしなくったっていい。大丈夫。


唯一無二の自分を、今度こそ大事にするんだ。


そう、どんな人だって同じ人はそもそもいないのだから。


“みんなと同じ”なんてものは幻想。


同じ幻想を抱くなら、あなたにしか描けないような心踊る楽しい幻想を、あなたの映写機に写していこう。


それが、あなたの世界はあなたが創っているということ。




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