昨年3月、骨折したことをきっかけに認知症になり、現在施設入所中の母。せめてお祝いしてあげたいと、面会することにしました。日に日に認知症が悪化していくため、父も弟もあんまり乗り気ではありませんでした。祝ってあげたところで母にはもう理解できないだろうというのです。

 誕生日は1月4日。ですが施設の都合で叶わなかったため、翌日の5日に面会の予約を入れました。日曜日であり、まだお正月休み中ということもあって面会の予約が入れられるかも正直難しそうでした。しかも面倒な規則があって、その間に面会の予約が入っていると予約した面会を終えてからではないと面会の予約ができませんでした。父はそのせいで何回も希望の日に面会を入れることができなかったようです。

 1月5日の面会予約の開始日に連絡を入れると、事前にその間に予約が入っていたため、予約した日に面会を終えた後ではないとダメだと言われてしまいました。仕方なくその日に面会する予定だった父に予約を入れてもらいました。すると奇跡的に予約を入れることができました。

 今時、面会に予約制だなんてと思いつつ、わたしの勤め先でもフリー面会になったものの、今年になってインフルエンザが流行してしまい、大変なことになってしまったので預けている以上文句は言えないなあと思いました。

 事前に誕生日プレゼントを用意し、面会に行くと母は、昨日が自分の誕生日だったことすら忘れていました。しかもわたしたち家族三人が誰だかもわからずぼーっとしています。弟が帽子を取って見せると、どうも以前骨折で入院していた病院の医師だと思っているようでした。わたしのことも、父のこともわからず、ボケてしまったからわからないと言います。プレゼントを付き添ってくれた介護士さんに開けてもらい、バースデイカードも見せて、やっとなんとなくわかってきたところで、面会時間になってしまいました。

  前回の面会で叔父と一緒に面会したときは、すぐに叔父だと理解したことを父と弟に言うと父が、その次の面会で父が叔母と一緒に面会したときは叔母のことが全く分からなかったと言っていました。母と叔母はとても仲のいい姉妹でした。それでも忘れてしまったようです。

 母と10歳違いの叔父は、よく母に面倒を見てもらっていたようです。だから、母は、叔父のことはよく覚えていたのかもしれません。ですが、母は、弟のこともとても可愛がっていたのに忘れてしまったようです。

 いまだにパーテンション越しでたった10分の面会では、認知症が進んでも仕方ないと弟は言います。父は、以前のように帰りたいと泣かれるよりはいいかなと言っていました。確かにその通りなのですが。前回の面会の時、叔父に家に帰りたいと泣きついていました。その時もわたしのこと誰だかもわかっていない様子だったので、母の帰りたいのはやっぱり実家なのかもしれません。

 昨夜は、新年初めて親子3人で集まったので新年会をしました。近所のお寿司屋さんでお寿司を買ってワインで乾杯しました。去年は、4人で伊豆に旅行に行ったのになあ。

 今朝も実家の富士山はとても綺麗でした。

 母が、施設で穏やかに過ごしてくれることを心から祈るばかりです。