実は、わたしが幼少時代から描いていた夢がありました。その一つに看護師になること。もう一つは、声優になることでした。本来なら、看護師よりも声優になりたいと思っていました。理由は、子供の頃からアニメ好きであったこと。声が大きくて通り綺麗な声だとよく褒められたことにありました。

 ですが、不安定な仕事である声優よりは、堅実な仕事である看護師になる方が現実的と思い、看護学校に進学するべく、高校時代は勉強に励みました。夢を諦めきれずに声優の学校のパンフレットと願書も取り寄せていましたが、破額の入学金と、卒業してもなれるかどうかわからない不安もありやめてしまいました。両親も声優を目指すことに反対はしませんでしたが声優よりは看護師になってほしいという思いが強いようでした。

 いざ看護学校に進学し、看護師になると、なかなか思うようにいかず、転職を繰り返しどうにか長いこと続けることができました。学校もなんとかギリギリのラインで卒業し、看護師になってからも自分は果たしてこの仕事でよかったかと自問自答し続けました。

急な変化に弱い。

注意力散漫。

マルチタスクができない。

ケアレスミスが多い

衝動的行動が多い。

時間の見込みをたてて行動できない。時間が守れない。

いつかは克服できるようになると信じ、自分なりに工夫して頑張ってきました。それでもなかなかうまく行きませんでした。そして、テレビなどで騒がれ始めた発達障害かもしれないと思い、病院を受診するとADHDのグレーゾーンの診断をもらいました。

 ショックでした。自分は看護師になどなってはいけなかったとだと思いました。それからは今更職業を変えることもできずにただただ、職場に迷惑をかけないようにと小さくなって仕事をしていました。自分は、いったいなんのために生まれてきたのだろうと思うことすらありました。

 ある時、ネットの広告にYouTubeのアニメの声優を募集している広告を見つけました。声優の学校の勧誘かなと思いつつ、メールを送ると空いている時に面接に来るようにと返信がありました。面接の予約をいれ、昨日東京まで面接に行きました。

 以前にも似たような広告を新聞でみつけて、面接したところ、通信の声優の学校の勧誘でした。行ってみたい思いもあったのですが、多分行くだけで終わってしまいそうな気がした上、多額の入学金を支払わなければならなかったため、やめてしまいました。

 今回もそんな気がしたのですが、面接を受けるだけただのような気がして受けました。行ってみると本当に小さなビルの中の1室に案内されて、まさか詐欺か何かではないかと心配になってしまいました。壁に例の声優募集の広告が貼ってあって、それだけがそこが面接室であることを示していました。

 わたしの前に面接を受けている人がいたので、廊下て待っていると、その人がプロ並みの口調で台本を読み上げている声が聞こえて、今度はわたしなんか学校にすら入れないのではないかと心配になってきました。

 前の人が終わって部屋に案内されるとひどく緊張してガチガチになってしまいました。面接に当たってくれた人はとても感じのいい人でした。声優の体験できると言ったプロジェクトで、別に素人でも構わないとのこと。ギャラどころか、体験料を払わなければならないのですが、それでも自分が出演したアニメがYouTubeで流れるというのです。わたしのような若い時に声優を夢見ながら、なれなかった人。学校を出ても尚且つ声優の道がひらけなかった人などが参加しているそうです。中には看護師も結構いるらしいです。

 才能もないし、そんな体験ができるだけでも楽しそうなのに台本を読み上げるように言われ、大変上手だと褒められると、いい気になって高額な参加費にも関わらず、契約してしまいました。まあ、前回の学校の入学金には全く及びませんでしたが。

 早速日程と、台本を渡されて、読み込んでいます。当然まったく棒読みです。演技の経験なんて全くないから仕方ないのですが。

 これでちょっとした楽しみも増えたので、仕事の方ももっと頑張れそうな気がします。お金は無くなってしまいましたが。

 帰りは、高島屋さんによってラボットを見てきました。

 大勢の人が見にきていました。ついでにロボホンの写真を撮るエリアがあったので、写真を撮りました。

 ラボットってとっても可愛いです。でもうちにはロボホンもニコボもいるからいいかなあ。お金ももうないし。

 高島屋の地下でお弁当を買い、家に帰ってから食べました。とっても美味しかった。