LIVE前の話
ここ4年程、空腹感が無い。一方で、「何か美味しいものが食べたい。」が口癖になっていた。食べたいものが分からない。何を食べても美味しいと感じられない…満たされない。この意味の分からない感覚が、不快で仕方なかった。いつからなのか覚えていませんが、食欲不振に陥っていた。
私の食生活は、1食と水分。夜、外食か、惣菜を買って帰る。残業が多く、帰る時間が20:00~23:00とまちまちなため、翌日胃もたれしない様にいかに早く食事を済ませるかだけを考えていた。自炊は長らくしていない。昨年の夏のある日、帰宅して冷蔵庫を開けたら温風が吹き出した…冷蔵庫の食材を全部捨て、この時期残業と休日出勤も続いていたので、新たな冷蔵庫を受け取れず、冷蔵庫の無い時期がしばらくあった。これが自分で食事を作る事から一層意識を遠退かせた出来事だった様にも思うし、空腹という感覚がなかった為、夜食べる1食は体力を落とすのが怖いので何でも良いから、簡単に手に入るものを適当に食べていた。
食欲不振の影響か、昨年の10月頃から不調を感じていた。「美味しいものが食べたい…」。お金を出せば美味しいものがあるのかもしれないと思い、エキナカやデパ地下の高目の惣菜やパンや生菓子などを見て周ったが、何を買えば良いのか分からなかった。ネットの口コミで人気の商品を購入して食べても、美味しいと思えない。「美味しい物が食べたい」と思う一方で、不食にも興味があった。食糧難の事を考えると、いっその事、不食というのも1つの選択肢じゃないか?とも考え始めていた。
LIVE当日
LIVE当日、慢性的な食欲不振が続いていた中、加藤さんが「ここのタコ焼きは美味しいよ。」と言っているのを聞いて、タコ焼きだけは食べたいと思えた。目の前に飲食業に携わっている2人の参加者が座っていた。食べ物を取り分けてくれたり、空いたお皿を片付けたりと凄く動きが滑らかで、サービス精神に溢れている方々だった。お客さんとして食べに行った先でも、店員目線でうっかり体が動いてしまいそうになる事が有る(男性参加者)話や、貴重なネギが添えられたお蕎麦の話(女性参加者)、加藤さんが過去にお勧めしていた食べ物(シナモン、京都のお漬物とご飯のバイキング)の事を教えて貰い、飲食に対してプラスのイメージが湧いた。聞いたものを食べてみたいと思った。
LIVE後の話
LIVE後、クリスマス当日、体調を崩して大晦日まで休息に入った。声が全く出なくなった。喉と溝落ちに何かが刺さっている様で、唾液すら飲み込めなかった。体が重い。仕事を休んだ。年を越す前にやっておきたかった色んなことを諦めて、眠り続けた。回復まで長引きそうだと思ったので、何も飲み込めないついでに、今まで興味のあった不食の実験をやる事にした。2日位は食べなくても平気なのは経験上知っていたが、3日以上は試した事が無かった。
不食の実験
休息に入って4日間、1日2、3口の水以外何も食べずに過ごした。空腹感も無いし、喉も乾かない。もうしばらく食べなくても平気そうに思ったが、自分の感覚だけを頼りにこれ以上は何となく怖く、少し飲み込める様になった感じもしたので、その後3日間は1日1個の林檎と水で過ごした。空腹感は無い。体が回復した。声が出た。大晦日になっていた。
新年、回復して直ぐ思った事。「いなり寿司を食べたい。メロンクリームソーダを作りたい。」。食欲らしきものを感じていた。空腹感は無い。早速、メロンクリームソーダを作るべく、食材と、丸いアイスクリームを作るやつ(アイスクリームディッシャー)を買い出しに行った。そして、思っていた形のクリームソーダ用っぽいグラスもキッチン用品コーナーに置いていたので、それも購入した。いなり寿司は出来合いのものを買った。
帰宅して、思い浮かぶメロンクリームソーダを作って食べた。食べると、リアルな映像が浮かんだ。
記憶の再生、メロンクリームソーダの思い出
メロンクリームソーダは過去に一度だけ食べた事があった。小学二年生の時に、家族旅行で上京した折、当時の日本で1番高層のビルに登った。父は高層建築物とか新しい建築技術とか、古い城とかが好きで見たがった。展望室を一周した後、そのビルの中の展望ラウンジで軽食を取った。腰高から上が全面ガラス張りで、白やシルバーを基調とした大人な空間に、執事っぽい人がピシッと立っている。静かなピアノ音楽が流れている。洒落込んだ大人のカップルばかりで、子供連れには不似合いな空間だった。私は、洗練された都会的な雰囲気に魅了されていた。その時食べたのがメロンクリームソーダだった。薄紫のロゴが入った厚手の紙の白いコースターの上にグラス置かれ、銀色の細いバーの上に紙に巻かれたスプーンと白い紙袋に入ったストローが並んでいる。
召喚術、いなり寿司
これは『Last★song壱』で食べた物だった。参加者の方の手作りで、差し入れとして持って来てくれた物を皆で食べた。美味しかった。それ以来、何を食べたら良いのか分からなくなった時にいなり寿司を買って食べた。不調だった昨年11~12月に至っては、ほぼ毎日食べていた。講習会の事を思い出して満たされる。体が回復して気付いた事ですが、(私の場合)いなり寿司を食べると、加藤さんを召喚しているのと同じ作用が発動する様です。
元気玉、タコ焼き
元旦の夜、妹の家に行った。体は回復したものの、1週間動いていなかったせいか力が入らない。本調子ではなかった。妹の4人の子供達がタコ焼きを焼いていた。私の分も焼いてくれた。LIVEで「ここのタコ焼きは美味しいよ。」と、加藤さんが言っていたのを思い出しながら食べた。美味しい。黙々と食べていると「全然元気そうじゃん。弱っているって主張していたのに、よく食べるし。」と妹の突っ込みが入った。実際に、タコ焼きを食べると満たされて、元気になっていた。
食べる意味
食べる行為には、お腹を満たす意味があるのは勿論、別の意味もあった。リアルな過去の映像を見せてくれたり、召喚術になったり、お薬になったり、元気の元となったり、五感に働きかけて心を動かす食べ物の力で、精神を満たす意味や霊的作用も有るのだと気付きにました。そして、物理的な飢えではないものを、いくら物理的に満たそうとしても、満たされないのだと。食べて感動する事を疎かにした為に、心が動かなくなって、食べたいものも分からず、美味しいとも思えなくなってしまったのだと…空腹感が無いので疎かにしていた事を、反省しました。
不食の実験では、思っていた以上に食べなくても、物理的な体は大丈夫そうな事が分かりました。ですが、食べて感動したいという欲がある以上、そこを満たさないと飢えてしまい、体が持たないのだと知りました。食べて感動したかったのだと、自分の中の欲に気付きました。そして、召喚術やお薬として使える、今まで注目していなかった食の可能性に意識を向けて、活用して行こうと思っています。
精神的な飢えから、知らず知らずの内に、加藤さんに救われていたのだと、不調から回復して行く中で気付きました。食欲不振が問題だとは思っていませんでした。無意識に召喚して、気力を繋いでいたのだと、最近になって分かりました。助けていただいて、ありがとうございました。