数日前、四日市市より人口の少ない津市の三重県運転免許センターで、原付自転車の試験を受けてきた。学科試験だけ合格すれば、あとは、その日に、実際にスクーターを運転する内容の簡単な講習を受けるだけだ。

結局、一発で合格した。

まず最初に、このことは知らせておきたい。日本の警察官のほとんど全部の人たちは、一生懸命にやっている。それは、別に、『嫌味』で言っているのではない。試験の日も、現場の警察官たちと、けっこう、仲良くしゃべっていた。他の受験者の人たちは、「ここは試験場だから、あまり余計な会話はしないほうがいい」と、思っていたみたいだが、自分は、「試験の中身の話以外は自由にしてもいい」と、知っていたので、けっこうしゃべっていた。しゃべったらまずい話の場合は、警察官のほうが、「その話はここではできない」と教えるから、気にする必要はない。

2ヶ月間、「原付免許模擬試験問題集」という内容の本を数冊読んで勉強してきたが、試験の時間、回答用紙に記入していて、もう、そのときに、「これは、たぶん、合格するな」と、自分で分かった。

朝の8時半に試験の料金を払って登録をして、10時から、30分間、試験があり、11時すぎに、合格発表があって、自分の番号が出ていた。そのあと、講習の料金を払って、午後1時頃から、3時間、合格者の数人が実際にスクーターに乗って、講習を受けて、午後4時に、運転免許証を受け取って、終了した。

その日は、原付免許を受験した人は、十数人だったが、合格したのは、半分くらいだった。

結局、8000円くらいかかったが、自動車学校の料金に比べたら、安いもんだ。

【救世主の親友たち】は、たぶん、「どうやって勉強したのか、人類を救うために聞きたい」と、思っているだろうが、それは、【慈善事業ではない問題】である。ここでは、『どれくらい難しかったか』という話だけしたい。

試験の時間は、『30分間』である。

答案用紙は、『マークシート』であり、鉛筆で、回答枠を黒く塗りつぶす。これが、けっこう、時間がかかる。

問題は、全部で、『48問』なんだが、最初の『46問』は、問題の文章を読んで、『正』か、『誤』か、を判断して、マークシートを塗りつぶす。ところが、最後の『2問』は、実際は、問題文が、『3問』あって、塗りつぶす枠は、3つずつあり、2問で、6個、塗らなければならない。つまり、塗る場所は、全部で『52個』である。

このマークシートというのは、コンピューターが読み取るので、きちんと塗らないと、コンピューターは、『不正解』と、判断してしまう。つまり、受験者本人は、正しい答えをしていても、塗り方がきたないと、コンピューターは『不正解』と、判断してしまうのである。だから、かなり、ていねいに塗らないと、せっかく正解していても、不正解になる危険が大きい。

だから、かなりていねいに塗ろうと思うと、1問あたり、10秒はかかる。もちろん、コンピューターの設計者は、いちおう、『鉛筆で1本の棒を引けば、読みとれる』というように、設計してある。だから、基本的に、鉛筆で、1本、棒を引けばいいのだから、『1問あたり、1秒』という計算になるだろう。

しかし、完璧に読み取るようにしようと思うと、きちんと枠の中をきれいに塗りつぶす方がいいのである。すると、10秒くらいかかる。

52個の回答枠を、『平均10秒間』で、塗りつぶすとしよう。すると、『520秒間』というのは、『8分40秒』であり、『約9分間』である。つまり、『マークシートを塗りつぶす作業だけで、約9分間かかる』ということだ。

ということは、試験時間が『30分間』であるから、実際は、『問題の文章を読んで、意味をよく考えて、答えを決めるまでの時間は、21分間しかない』ということだ。

『21分間で、52問の問題に答える』ということは、『1260秒間で、52問に答える』ということであるから、『1問あたり、24秒間』ということだ。

これは、かなり、きつい。

急いで読まないと、間に合わない。

おまけに、運転免許の問題文は、わざと、ややこしい言い回しをしているので、じっくり考えないと、ひっかかるんだが、頭をひねっているヒマもない。

自分の場合、実際、マークシートを塗りつぶすのに、1問あたり、5秒以上かかっていた。

それと、もうひとつ、この『体験記』で紹介したい事実がある。

48問の中の、『最後の2問』なんだが、原付自転車を運転している道路の状況を描いたイラストを見て、答えるんだが、もしかすると、この2問の『ルール』を、知らずに試験を受けている人も、いるかも知れない。

つまり、なぜ、3つずつ、問題文が書いてあるのか?

これに関して、『正しい答えを一つ選んで、「正」の枠を塗り、他の2つは「誤」の枠を塗る』というルールだと、思い込んでいる人も、いるかも知れない。

実は、これは、『3つの文章のどれが「正」で、どれが「誤」になるかは、まったく規則性はない』というルールであり、しかも、『3つの「正」と「誤」を、完璧に正解しなければ、その問題は、0点になり、3つとも完璧に正解すれば、1問あたり、2点を取れる』というルールである。

これに関して、詳しく説明しよう。

どういう意味かというと、2つのイラスト問題に関しては、1問あたり、3つの問題文がある。どれが『正』で、どれが『誤』になるのかに関しては、これだけのパターンが存在する。

①【正】【正】【正】
②【正】【正】【誤】
③【正】【誤】【正】
④【正】【誤】【誤】
⑤【誤】【正】【正】
⑥【誤】【正】【誤】
⑦【誤】【誤】【正】
⑧【誤】【誤】【誤】

このどれになるかを、完璧に的中させると1問あたり『2点』で、完璧な組み合わせでなかった場合、『0点』である。

どういうことかというと、確率的には、『8分の1』であるから、適当に答えた場合、正解する確率は、『12.5%』なのである。最後の2問以外の46問は、正解する確率は『50%』であるが、最後の2問だけは、『12.5%』なのだ。

これが、2問ある、ということは、もし、『完璧な組み合わせ』を、2つとも、当てられなかった場合、『4点』をうしなう。

運転免許を取得するために必要な得点は、『45点』である。

つまり、『50点満点のうち、45点で合格』というルールなんだが、実際は、『最後の2問で、4点失う可能性が、87.5%』なのだ。ということは、残りの『46問』で、許される失点は、『1点だけ』である。

つまり、勉強する場合、「50点満点のうちの、5点まちがってもいいや」という気持ちで勉強していてはダメだ。勉強するとき、「50点満点のうち、1点の間違いしか許されないんだ」という【気持ち】で、勉強するべきである。

合格した人は、おそらく、ほぼ100%、『最後の2問で4点取った人』であろう。そうすれば、46問中、5問まで間違えても合格できることになる。

最後の2問で、4点取るのは、ほぼ不可能に近い。

自分の場合、その『最後の2問』で、「完璧な組み合わせができた」という自信があったので、「たぶん、合格だ」と、思ったのである。

そして、もうひとつ紹介したいのは、「問題文の言い回し」である。

たとえば、こういう『問題文』があるとする。

【A】「警笛鳴らせ」の標識がある場所では、その区間、警笛を鳴らし続けなければならない。

これは、『誤』である。どうしてかというと、正解は、「警笛鳴らせの区間の中で、危険な場所だけ鳴らす」ということだ。ところが、

【B】「警笛鳴らせ」の標識がある場所では、警笛を鳴らさなければならない。

これは、『正』である。「区間標識」が無い場合は、その標識の場所で、鳴らさなければならない。では、これはどうか。

【C】「警笛鳴らせ」の標識がある場所以外では、警笛を鳴らしてはならない。

これは、『誤』である。標識の場所以外でも、事故の危険を回避するために鳴らすのは、道路交通法違反ではない。ところが・・・。

【D】前方に歩行者がいたので、危険を回避するため、警笛を鳴らして追い越した。

これは、『誤』である。歩行者がいた場合は、歩行者が優先であり、むやみに警笛を鳴らすべきではなく、鳴らさずに、安全な間隔を取って、注意しながら追い越すべきであり、安全な間隔を取れない場合は、徐行して追い越さなければならない。

このように、ややこしい『言い回し』をしているので、よく考えないと、ひっかかるんだが、考えている時間がないのである。

とにかく、難しかった。

試験結果に関しては、「45点以上か、44点以下か?」という発表だけで、具体的な得点も分からないし、どの問題が正解で、どれが不正解だったか、という結果も教えてもらえない。おそらく、『試験問題の漏えいによる不正を防止するため』であろう。

はっきり言って、実力だけで合格するのは不可能であり、たまたま、自分が勉強した部分が多い問題用紙に当たるのを期待するしかない。