#MA010 GETZ GILBERTO
1963年にニューヨークで録音された「GETZ GILBERTO」
ジャズとボッサの融合、不朽の名作と言われるこのアルバム。
- Stan Getz, Joao Gilberto
- Getz/Gilberto
テナーサックスのスタン・ゲッツ
ギター、ヴォーカルのジョアン・ジルベルト
ピアノ、作曲、編曲のアントニオ・カルロス・ジョビン
プロデュースはCTIレコードの創設者クリード・テイラー。
このアルバムは大ヒットし、グラミー賞を獲得している。
ボサノヴァを全世界に広めたのであるが・・・
ボサノヴァを有名にしたいのでテナーのスタン・ゲッツさんと組むことになりました。
しかし困ったことにジョアンがサックスがうるさいって言うんもんだから。
ジョアンの言うこともわかるんだけど。
彼の細君アストラッドも歌わせてって言うし・・・
もう板ばさみで大変だよ。
こんなことをジョビンが言ったかどうか分かりませんが・・・
実際にアストラッドの英語の歌が入っていますね。
これはジョアン・ジルベルトには知らされてなく、
実際に出来上がったテイクを聴いた彼は相当ショックだったと思います。
例えば「THE GIRL FROM IPANEMA」
ジョアンは確かにフルコーラスを歌ったはずでした。
しかし2番からアストラッドの歌に差し替えられています。
歌わせてと欲しいと言うアストラッドの歌を空きトラックに録音していました。
それを後に編集したわけです。
このアルバムをヒットさせる要素として英語で歌うってことがキーとしてあったのでしょう。
ジョアン・ジルベルトは英語ではボサノバの良さが伝わらないことをよく分かっていたし、テナーサックスも必要ではなかったのでしょうね。
後にアントニオ・カルロス・ジョビンとジョアン・ジルベルトは不仲となってしまいます。
このアルバム製作時の確執が実際にあったのではと思われます。
それでもトム(ジョビン)はジョアンのことをかけがえのない友人、そして素晴らしいミュージシャンとして意識していたことは間違いないようです。