慢性疲労症候群の人は血液検査で異常が見られるのか?について書いておきます。
既に確定診断を受けた方ではなく、もしかして慢性疲労症候群かもしれないと悩んでいる方に向けて。
残念ながら、専門医以外で行われる一般的な血液検査では異常なしであることが現在の慢性疲労症候群の特徴です。
原因不明の疾患である「慢性疲労症候群」のバイオマーカーを発見したと大阪市立大学などの研究チームが発表した。
引用元:「慢性疲労症候群」が血液検査で診断可能に バイオマーカーを発見
と2016年の記事にありますが、本記事を書いている時点では一般の医療機関で実用化されてはいません。
こんなにしんどいのに、こんなに微熱が続いているのに、こんなに痛みがきついのに、こんなに動けなくなっているのに。
それでも一般的な血液検査でも尿検査でも「異常なし」という結果が出るのが慢性疲労症候群の泣かせるところ。
わたしなど、同年代の人はあれこれ異常値が出てくるお年頃です。肝機能が悪くて…とか、血糖値が高めでね…とかいろいろ。そんな中、わたしは血液検査も尿検査も血圧も、その数値だけを見れば「とても健康ですね!」と褒められるくらい美しい結果です。実際は月の半分くらいを寝込んで過ごしているのにね。
慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎)の診断基準で、以下の検査を行うことが定められています。
(1) 尿検査(試験紙法)
(2) 便潜血反応(ヒトヘモグロビン)
(3) 血液一般検査(WBC、Hb、Ht、RBC、血小板、末梢血液像)
(4) CRP、赤沈
(5) 血液生化学(TP、蛋白分画、TC、TG、AST、ALT、LD、γ-GT、BUN、Cr、尿酸、 血清電解質、血糖)
(6) 甲状腺検査(TSH)、リウマトイド因子、抗核抗体
(7) 心電図
(8) 胸部単純X線撮影
これらの検査をすることで「他の疾患ではない」ことを確認するわけです(除外診断、鑑別診断)。
今、「こんなにしんどいのに詐病(さびょう)と言われている」「医師にすら病気だと信じてもらえない」「慢性疲労症候群などという病気はないと言われた」「気の持ちようだと言われる」と苦しんでいる人がこれを読んでいたら、それがまさに慢性疲労症候群の悩ましいところなのよ、と言いたいです。
「慢性疲労症候群とうつ病」でも書いた通り、バイオマーカー、客観的指標、客観的診断基準の確立は慢性疲労症候群の患者の悲願です。