2016年8月8日(月)、
医学・医療の総合情報誌『週刊日本医事新報』編集局
のTwitterアカウントにおいて
『筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)に対する
反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)の効果について』
下記内容のツイートがありました。
日本医事新報編集局 (@jmedj_news) 2016年8月8日
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)に対する反復性経頭蓋磁気刺激治療(rTMS)の効果について、国際医療福祉大学三田病院リハビリテーション科・角田亘教授が会見を行った(於・厚労省記者クラブ、筋痛性脳脊髄炎友の会共同)
https://twitter.com/jmedj_news/status/762548472750886912
国際医療福祉大学角田亘教授はrTMSが「大脳局所の神経機能を高めたことでME/CFSの症状が改善した」とし、新たな治療法が得られるとともに、ME/CFSの諸症状が脳の機能的異常に基づくことの確証がまた1つ得られたとした。(E)
https://twitter.com/jmedj_news/status/762549947237486592
会見内容は具体的には書かれておらず
どのような症状が、どの程度改善したのか
については続報が待たれるところです。
しかし、現状治療方法が確立されていない
慢性疲労症候群患者にとって
またひとつ希望が見える内容です。
反復経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation; rTMS)
については、
大阪大学医学部附属病院脳神経外科の
神経障害性疼痛(感覚神経系の障害によって生じてくる痛み)
に対する治験の説明がわかりやすかったので
下記に引用します。
頭皮上におかれた刺激コイルに瞬間的に電流を流すことで、磁場を誘導し、その誘導電流で脳を刺激する非手術的な脳神経刺激法。神経系に可塑性変化を惹起することで、神経疾患の治療法として研究されている。薬物治療抵抗性のうつ病に対しては、米国で認可されている。
http://www.neuromod.med.osaka-u.ac.jp/clinicaltrial/
反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)
という治療法は、まだ研究途上で
作用機序が十分には解明されていない、
プラセボ効果と、治療効果の判別が難しいなど
の課題はあるようです。
しかし、この方法は神経障害性疼痛以外でも
"多くの小規模な先行研究により、多くの神経症状 (例えば、頭痛、脳梗塞、パーキンソン症候群、ジストニア、耳鳴り) や精神医学的な症状 (例えば うつ病、幻聴) に有効な治療法であることが示されている"とのことです。
(参照:Wikipedia)
慢性疲労症候群以外の疾患に対する
「反復経頭蓋磁気刺激(もしくは経頭蓋磁気刺激TMS ※注:rTMSとTMSでは、効果が異なるものがあるそうです)」
の治療効果など
現在の研究状況については、
下記それぞれに多少言及があります。
参考までにリンクを貼りました。
ご興味のある方は
あわせてご覧ください。
■脳卒中後遺症(※rTMSではなくTMS)
脳卒中後遺症に対する経頭蓋磁気刺激(TMS)治療のご案内|東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座
■パーキンソン病(リンク先PDF)
<シンポジウム (2)-2-2 >パーキンソン病の非薬物療法とエビデンスー反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)療法 代田悠一郎 (臨床神経 2013;53:1050-1052)
■うつ病
精神神経学雑誌 第114巻 第11号 (2012年) 反復経頭蓋磁気刺激療法によるうつ病の治療 中村元昭
週刊日本医事新報【 質疑応答 】掲載:No.4803 2016年5月14日発行 プロからプロへ:反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS)によるうつ病の治療(上田 諭→中村元昭)
(閲覧は全文ではなく、一部のみ可能)