(注:下の方まで読んでいただくと
実は、慢性疲労症候群や線維筋痛症とも
関連があるかもしれない…
内容になっています。)
この2014年秋から、神経難病のひとつ
「HTLV-1 関連脊髄症(HAM)」
という疾患で、ある治験がはじまっています。
HAMは、HTLV-1ウイルス感染者の一部
(※発症者は、感染者400人に1人の割合)
の脊髄に、慢性の炎症が起こり、
歩行困難などが進行する難病だそうです。
HAM患者さんにはじまった治験とは、こちら↓。
■ロボットスーツHALの医学応用、HAMの歩行改善効果と治験に向けた準備について(※pdf)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000040500.pdf
…難しすぎて、なにがなにやらわからないですね(苦笑)。
HAL®というロボットスーツを装着して
リハビリをすると、
麻痺等で体が動かなくなった方も、
再度自力で体を動かせるようになった!
…のだそうです。
かっこいいんですよ、これがまた。
HAL®イメージ(CYBERDYNEサイトより)
HAL®下肢用(CYBERDYNEサイトより)
■HAL® THERAPY(セラピー):脊髄損傷や脳卒中を含む脳・神経・筋疾患の患者に対する、ロボットスーツHAL®を用いた機能改善治療を行う医療サービス
http://www.cyberdyne.jp/services/HALTherapy.html
このサイトにある事例では、
"2012年2月当初、歩行器で72秒かかった10m歩行が、同年6月にはたった26秒で歩けるまでに改善しました。その後の練習により、歩行器を使用し、HAL®がなくても1,000m以上も歩けるように"
なったとのこと。
通常のリハビリでは、
ちょっと考えにくい、とてつもない
機能回復を遂げています。
そして、実は、以前山海先生に
直接質問したことがありまして…
このHAL® の原理・仕組みは
慢性疲労症候群/線維筋痛症等
「労作後に極度のエネルギー消耗や
脱力、筋痛等を伴う疾患にも
応用可能だろう」
とのお話だったのです。
というのは。若干難しい話になりますが。
このHAL®のすごいところは
「筋肉を動かそうとするときに
生じる、神経伝達系の働きを、
(長期麻痺等で神経系の働きがほとんどないような方の)
微弱な信号もキャッチできる」
「さらに、繰り返し使ううちに、
使用者の『動かそうとする』神経指令と
それに関係しない不要な神経指令の
情報を分別し、
『動かそうとする指令』のみを拾い、
体にフィードバックできる」
というところ。
例えば、線維筋痛症の方だったら、
筋肉を使うと、動かしたところと
全く関係のない部分に
痛みが走る、という症状があります。
(神経障害性疼痛)
HAL®は、機械の力のサポートで
わずかな力でもラクに動ける
だけではなく。
そうした、「痛みの情報」等、
不要な情報を取り除き、
運動に必要な指令のみを
再度体にフィードバックする
ことで、痛み等を出にくくする
…ことが期待できるのだそうです。
いつの日か(いや、できれば早く…)
慢性疲労症候群や線維筋痛症
他多くの患者さんが、こうした機器を使い
ラクにリハビリができるように
なってほしいと思います。
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《参照情報》
HAM…現行の「難治性疾患克服研究事業 臨床調査研究分野の対象疾患(130疾患)」の1つ
■HTLV-1 関連脊髄症(HAM)|難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/50
■2013/7/12 HTLV1原因の神経難病 HAM 仕組み解明 聖マリアンナ医大 新薬開発へ前進 |西日本新聞
"CXCL10というタンパク質が発症と症状悪化の鍵"
http://qnet.nishinippon.co.jp/medical/news/kyushu/post_1170.shtml