【他疾患研究】神経難病HAMに、サイバーロボットの治験開始 2014/9 | 「慢性疲労症候群(ME/CFS)」と「制度の谷間」界隈の備忘録

「慢性疲労症候群(ME/CFS)」と「制度の谷間」界隈の備忘録

慢性疲労症候群(ME/CFS)・線維筋痛症(FM)患者で、電動車椅子ユーザー。医師診断PS値8ですが、感覚的には「7寄りの8」。
Twitterでの、情報共有に限界を感じ、暫定的にブログを立ち上げました。

更新できる気はあまりしないので、不要になったら閉鎖するかもしれません。

(注:下の方まで読んでいただくと
実は、慢性疲労症候群や線維筋痛症とも
関連があるかもしれない…
内容になっています。)


この2014年秋から、神経難病のひとつ
HTLV-1 関連脊髄症(HAM)
という疾患で、ある治験がはじまっています。

HAMは、HTLV-1ウイルス感染者の一部
(※発症者は、感染者400人に1人の割合)
の脊髄に、慢性の炎症が起こり、
歩行困難などが進行する難病だそうです。


HAM患者さんにはじまった治験とは、こちら↓。

ロボットスーツHALの医学応用、HAMの歩行改善効果と治験に向けた準備について(※pdf)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000040500.pdf

…難しすぎて、なにがなにやらわからないですね(苦笑)。


HAL®というロボットスーツを装着して
リハビリをすると、
麻痺等で体が動かなくなった方も、
再度自力で体を動かせるようになった!
…のだそうです。

かっこいいんですよ、これがまた。
HAL®イメージ(CYBERDYNEサイトより)
HAL image


HAL®下肢用(CYBERDYNEサイトより)
HAL


HAL® THERAPY(セラピー):脊髄損傷や脳卒中を含む脳・神経・筋疾患の患者に対する、ロボットスーツHAL®を用いた機能改善治療を行う医療サービス
http://www.cyberdyne.jp/services/HALTherapy.html


このサイトにある事例では、
"2012年2月当初、歩行器72秒かかった10m歩行が、同年6月にはたった26秒で歩けるまでに改善しました。その後の練習により、歩行器を使用し、HAL®がなくても1,000m以上も歩けるように"
なったとのこと。


通常のリハビリでは、
ちょっと考えにくい、とてつもない
機能回復を遂げています。



そして、実は、以前山海先生に
直接質問したことがありまして…

このHAL® の原理・仕組みは
慢性疲労症候群/線維筋痛症
労作後極度のエネルギー消耗
 脱力、筋痛等を伴う疾患にも
 応用可能だろう」
とのお話だったのです。


というのは。若干難しい話になりますが。

このHAL®のすごいところは

筋肉を動かそうとするときに
 生じる、神経伝達系の働きを、
 (長期麻痺等で神経系の働きがほとんどないような方の)
 微弱な信号もキャッチできる」

「さらに、繰り返し使ううちに、
 使用者の動かそうとする神経指令
 それに関係しない不要な神経指令
 情報を分別し、
 『動かそうとする指令』のみを拾い、
 体にフィードバックできる」

というところ。


例えば、線維筋痛症の方だったら、
筋肉を使うと、動かしたところと
全く関係のない部分に
痛みが走る、という症状があります。
(神経障害性疼痛)


HAL®は、機械の力のサポートで
わずかな力でもラクに動ける
だけではなく。

そうした、「痛みの情報」等、
不要な情報を取り除き
運動に必要な指令のみ
再度体にフィードバックする
ことで、痛み等を出にくくする
…ことが期待できるのだそうです。


いつの日か(いや、できれば早く…)
慢性疲労症候群や線維筋痛症
多くの患者さんが、こうした機器を使い
ラクにリハビリができるように
なってほしいと思います。

----------
《参照情報》

HAM…現行の「難治性疾患克服研究事業 臨床調査研究分野の対象疾患(130疾患)」の1つ

■HTLV-1 関連脊髄症(HAM)|難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/50

■2013/7/12 HTLV1原因の神経難病 HAM 仕組み解明 聖マリアンナ医大 新薬開発へ前進 |西日本新聞
"CXCL10というタンパク質が発症と症状悪化の鍵"
http://qnet.nishinippon.co.jp/medical/news/kyushu/post_1170.shtml