生命保険とは、みんなでお金を出し合ってプールしておいて、何か保険事故が起こった人が保険金を受け取れる、という相互扶助の精神から成り立つ制度
保険をかけておくことで、誰かが亡くなるなどの不幸が起こってしまったような時でも、経済面での不幸に陥ることが防げる
とても役に立つケースもあるわけだが、無駄にお金を出しているケースも少なくない
お金をプールしておく先が保険会社ということになるのだが、プールしたお金の引き去りや支払い、お金を運用したりするには人件費等のコストがかかり、そのコストが高い
入っていると安心感があるため、無駄な保険料を安心料として支払ってしまうものだ
生命保険は、必要最小限ライフプランに合わせて加入して、ライフプランが変われば適宜やめるか見直しするのがいい
生命保険の内容は複雑化してきており、営業担当者に勧められるままに加入してしまうことが多いが、生命保険の営業担当者も正直レベルがピンキリ
最低限の知識武装をしておくことで、営業担当者が信頼に応えるだけの勉強をしているがわかるし、自分のニーズも要求できる
まずは、生命保険の最近のトレンドについてまとめてみたので参照してほしい
少子化・高齢化が進み保険ニーズの変化し新しい商品が多く開発され、保険業法の改正で保険業界への規制が強化され、今保険業界は大きな変革期を迎えている
○少子化・高齢化に伴う保険商品の変化
【医療保険】
少子化・高齢化により年齢層に応じて、細分化された商品が開発されている
介護や認知症、就労不能、特定疾病、不妊治療や健康状態で保険料が変化するような保険もある
医療保険の分野では、三大疾病(がん、心筋梗塞、脳卒中)の保障範囲が拡大し、補償の仕方も従来の定額保障型(入院1日○○円タイプ)から実損填補型(治療に要した金額)も登場している
また、保険加入には診査・告知が必要になるが、引き受け基準が緩和され保険会社によって違いが出てきている
【貯蓄保険】
次に、貯蓄性保険だが、日銀のマイナス金利政策で運用難から保険会社は揃って予定利率を下げた
従来の確定利回り型はほとんどメリットが少ないため、運用実績で受取額が変わる変額保険タイプや為替の動きで受取額が変わる外貨建て保険、早く死亡すると損をするトンチン年金というものを積極販売している
私は、安心を得るため保険に入るのに、固定経費率の高い保険であえて更に運用リスクを取る必要はないと考えているので、変額保険や外貨建て保険に加入するなどもってのほかだと思っているが、トンチン年金は面白いと思う
トンチン年金とは変わったネーミングだが、発案者である17世紀イタリアのロレンツォ・トンティ氏に由来する
長生きするほど年金を多く受け取れる仕組みになっていて、早く死亡した場合は支払った保険料よりも死亡給付は少ないというもの
日本の公的年金制度を似たような制度だが、人生100年時代に公的年金を補完する意味では面白い年金だ
【ITやAIによる商品差別化】
ITやAIの進化で、保険業界では保険(Insurance)とテクノロジー(Technology)を融合させたインシュアテック(InsurTeech造語)への取り組みが進んでいる
健康診断など医療ビックデータを活用して、健康増進に役立てたり、保険料に反映させたりというもの
ウエアラブル端末で加入者の健康への取り組みが保険料に反映するものから、健康への取り組みによってプレゼントがもらえるようなもの、認知症予防サービスなど付帯サービスも多様になってきている
これからは保険商品の内容よりも付帯サービスの魅力で保険を選ぶ時代になるかもしれないが、付帯サービスも経費に含まれていることを忘れてはいけない
○保険募集ルールの変化
2016年5月に改正保険業法が施行され、保険募集における情報提供や顧客の意向の把握・確認が義務化された
ショップやプロ代理店、銀行など複数の保険会社の商品を取り扱う乗合代理店では、複数の商品を公平に比較提案できることをアピールしているが、中には販売手数料の高い商品に加入させられるケースもあり、それを是正することが目的だ
保険の営業担当者は保険会社から販売手数料を受け取っていることを常に頭の片隅においておこう
○あらためて保険と貯蓄の比較
世帯主の死亡、高齢化の資金対応、医療費、介護費用などに備えるために保険は必要なケースもある
貯蓄は、必要な額に達するのに時間がかかるのに対して、保険は加入すれば保険事故に応じて保険がすぐ受け取れるメリットがある
逆に考えれば、十分な貯蓄ができれば保険は必要ないということ
医療・介護に必要とされる費用については約800万円
日経 マネー研究所にまとまられているので参考になる
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO22682460V21C17A0000000?channel=DF280120166581&n_cid=LMNST011
後から振り返ると大きな支出となっているのが生命保険の保険料
安心のために保険に加入するのではなく、必要性をよく検討して加入や見直しすべき
投資信託、株式売買その他の金融商品すべて手数料がかかる
保険の場合はそれが高く、しかも開示されていない
営業担当者に保険料の内訳で経費がどれくらい含まれているのか聞いてみて、それが納得できるか
確実に高いコストを支払うことを意識する、そして高いコストを払ってまで加入する必要があるかどうか、が保険が必要かの判断基準
人生100年時代を生き抜くために金融リテラシーが必要だ
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