新社会人になったみなさんはほとんどの会社で今月から初任給が支給される
アルバイトの感覚だと今月働いた分は来月支払いとなるが、正社員は当月支払いされるケースが多い
お金の使い方については早めに学んでおくことをお勧めする
さて、新社会人、新サラリーマンのみなさんが高齢者となる50年後には少子高齢が進んでいて日本の人口は8808万人となり、65歳以上の高齢者が約4割となると予想されている
あたらずといっても遠からず、と言ったところだろう
現在の社会保障制度、特に現在の年金制度をあてにしたライフプランでは生きていけない
人生100年とした貯蓄計画・資金運用計画が必要だ
人生には貯め期(ためき)という、貯蓄に適した時期が「結婚する前」と「子育て後退職まで」の2回ある
結婚して子供ができると教育費が莫大にかかり、住宅ローンなども加わり、貯蓄どころではなくなる
貯め期でしっかり貯蓄しておかないと、後から結婚や子育てという人生の喜びを味わうことができない、あきらめざるを得ない、ということになりかねない
そこで貯蓄のために利用したいのが、確定拠出年金(DC制度)
昨年まではサラリーマンは企業型DCにしか加入できない仕組みになっていたが、今年からはiDeCo(イデコ)といわれる個人型DCに誰でも加入できるようになった
この国が個々人の自助努力を促すために大きな節税メリットを与えた最強の年金制度だ
それではどれだけの節税効果があるのか
○掛金が全額所得控除の効果
DCでは自己負担額した掛金については全額所得控除の対象になる
例えば年収300万円の場合、基本的な控除を引いた課税対象額は、所得税・住民税ともにおよそ115万円前後
これに対して所得税は約5%、住民税は約10%発生するので、合計約15%
年間約17万円の税金が天引きされる
全額所得控除というのはiDeCoで積み立てた掛け金はこれらの税金の計算の対象外
iDeCoで年間24万円積み立てた場合、課税対象がそのまま24万円減るので、15%にあたる3.6万円ほどは税金が安くなる
つまり、毎月2万円積み立てると毎月3000円ほど税金が安くなるということ
22歳~60歳までDC掛金を支払い続ければ合計136万円の節税効果があり、912万の資金が貯蓄ができる
更に、所得税は所得が増えるほど税率が高くなるため節税効果も大きくなるし、912万の資金は運用結果次第では大きく膨らませることができる
ちなみに、保険会社などが販売している一般の個人年金保険の場合は所得控除に上限があるため年収300万で毎月2万づづ掛金を支払ったケースで節税効果は4.5%(10800円)となる
掛金全額所得控除の効果がどれほど大きいかがわかる
○運用益が非課税
DCで積み立てた資産は、運用先としては預貯金のように利益確保型といわれるリスクがないものや、株式投資信託のようなハイリスクハイリターンの運用先があり、自分でWebなどで運用をすることができる
個人で株式投資信託をする場合、売買時に利益でれば運用益の20%に税がかかる
DCの場合、売買して運用商品を変更して利益が出ても運用益が非課税となる
ポートフォリオ変更による税負担がゼロのため利益確定に躊躇はいらない
○退職所得控除や公的年金控除
退職一時金で受け取る場合は退職控除の対象となる
22歳で入社し60歳で定年退職と仮定すると
800万円+70万円×(勤続年数38年-20年)=2060万と計算でき
2060万まで非課税となる
また、年金で受け取った場合は公的年金控除がある
個人で株式投資信託の解約、預貯金の受取利息に税金が20%かかるのに対して、2000万を超える非課税枠は破格だ
DCには60歳まで引き出せないという唯一のデメリットがある
拠出額は無理のない範囲で行うようにしたい
今が貯め期だということを理解して、しっかり資金計画をたてよう
アリとキリギリスの話は知っているだろうか
アリのような人生じゃつまらないが、キリギリスでは生きていけない
今を生きる我々老若男女は人生100年時代のパイオニアだ
自分で金融リテラシーを学ぶことが大切になる