外資系金融機関に採用が決まった私は、大喜び。早速、邦銀には退職願を提出。


これが、寿退社なら歓迎されるのですが、同業者となれば話は別、内部情報が他社に漏れるのではないかとか、都合の悪いことを外部に吹聴されるのではないか、あと、転職されるのは、上司の管理能力という点でも問題になるので、直属の上司や支店長にも慰留されました。


私のような平行員が、内部の極秘情報を知ってる???何を勘違いしてるだろう。

このオッサン達、知ってるといえば、お年寄りを騙して、とんでもない金融商品を売りつけてたとか、その程度ですよ。


いろいろ嫌がらせもありましたが、なんとか退職しまして、新しい勤務先へ、張り切って出勤、まず、オフィスが綺麗なことに感激、私のデスクもパーテーションで区切られていて、机も、日本の会社みたいなスチールじゃなくて、重厚な木製、机の横にはPC、後ろには、タイプライター。このコの字型空間が私のもの!


それから、日本語、英語、交えての挨拶回り。


その後は、自分のデスクで入社の書類への記入、もちろん全て英語で書いてあって、アメリカで使ってる契約書と同じものです。「よ~く読んで、完璧に記入してね、初日は、皆、これで一日かかるから」と言われ、一生懸命に読み始めました。


記入で、ビックリしたのは、兵役に関する質問事項、日本人なんだから、兵役なんて

関係ないです。それに、以前、この会社に勤務していた人の為の質問事項、一度退職した会社に舞い戻るだなんて、これも日本なら聞いたことがない質問です。


あと、入社に際して、日本の会社なら保証人が必要ですが、正社員での採用でも

必要なしでした。


気が遠くなる程の、雇用契約の書類を読んで、質問に答えたり、サインしたり

していたら、あっという間に、一日が終わってしまいました。


入社に関する説明では、福利厚生は、年末のクリスマスパーティ(任意参加)のみ、

社員旅行も、飲み会もなし。

普段の、上司との飲み会も、禁止はしていないけど、ないということでした。


歓迎会もないけれど、誰が入社して来ても、歓迎会はしないから気にしないようにとも言われました。


社会保険料は全額会社負担なので給料からの天引きはなし。


有給については、全て消化するようにと、病欠は、有給ではあるけど、有給休暇の消化日数にはカウントされないとのことでした。

 

上司との飲み会がないだなんて、なんて素敵なんでしょう。それに社員旅行もないだなんで嬉しいわ~。


一日目は、無事に終わりました。


「さあ、明日から、ガンバロ~」と晴々とした気分で、会社を後にしたのでした。














邦銀に入行して3年後、どうしても合わない上司と一緒に仕事をすることになりました。初対面で話もしたことがない人なのに、この人とは合わないなあと思うことは、

誰でもあると思います。

事実、上司も私のことは嫌いで、いろいろ意地悪もされました。


それで、日曜日の日経、月曜日のJAPAN TIMESの求人を見て、これと思った会社に履歴書を送りまくったのです。、当時は景気が良かったせいか、

いろんな会社から、お呼びがかかりました。


そのうちの1社、アメリカに本社がある金融機関にいそいそと面接に行きました。

初めは、人事部の人との面接、次は、募集をしている部署の管理職との面接、

3回目は、アメリカ人スタッフとの英語による面接。最後は、支店長との英語面接

でした。

次の日に採用決定の連絡が来て、大喜び。

それがぬか喜びであることを知ったのは、入社後、すぐでした。

会社を退職した私達、

二人とも、もう体力的にも精神的にも限界でした。


辞めてからは、とにかくゆっくりしたかったので、退職後1週間は、ほとんど寝て

ました。

それから、沖縄の久米島に行き、生き返った私達。


毎日、家にいると、いろんな人が来るものです。

何年かに一度、警察の人が、家族構成とか職業の確認に皆さんのお宅に

来るでしょうが、我が家にも来ました。

「お変わりありませんか~」と言われ、「はーい」と言ってお帰り頂きました。

無職だなんて言ったら、何か事件が起きたら、真っ先に疑われそうですもの。

セールスには、無職で余裕なしと言うと、退散してくれました。


クレジットカード会社の対応は、会社によってマチマチでした。

ほとんどの会社は、無職でも、定収入があることを確認できればカードの

利用はOK。前年の源泉徴収票を出してくださいとのことでしたが、

前年は、会社員の時の収入です。これで証明になるの???と思いながら

提出しました。

1社だけは、働いてないのなら、カードの使用は停止、勤務先が決まったら、

再審査するから、電話頂戴とのことだったので、即解約しました。


あと、一番凄かったのは、知人からの「新しい職は決まった?」の電話。

「子供もいないのに、一日どうして過ごしてるの?」「恥ずかしくないの?」

陰では、「自分の知り合いに無職がいるなんて人に言えない」とか、

「ペーパーカンパニー設立して、夫婦で会社役員になれば?」

夫の親類からは、「結婚式の親族紹介の時に困る」とかいろいろ言われました。

「いいなあ~自分もそんな身分になりたいな~」との意見も少数ながらありました。


世間からの口撃を受けながらも、たまにデイトレしたり、小旅行したりしながら、

時は、過ぎて行きました。