健康志向の高まりから禁煙傾向が強まっている。にもかかわらず、30~40歳代女性の喫煙率は上昇ぎみだ。妊娠、出産に悪影響を及ぼすだけでなく、お肌にも大敵だ。

 国立がんセンターがん対策情報センターの調べによると、2008年の喫煙率は男性36.8%で、1995年以降いずれの年齢階級でも減少傾向にある。一方で女性は9.1%で、20歳代では2005年以降減少したが、95年以降は30歳代と40歳代で増えた。喫煙率が高いのは男性が青森県、北海道、福島県、栃木県、石川県で、女性は北海道、東京都、神奈川県、青森県、埼玉県となった。10年3月26日に発表した。

■女性専用の禁煙外来もお目見え

 日本たばこ産業(JT)が毎年行っている喫煙率調査でも、09年の女性の喫煙率は20歳代が15.9%、30歳代が16.8%、40歳代が14.9%、50歳代が14.8%となり、各年代とも4割を超えた男性に比べたら低い。ところが喫煙率の推移を見てみると、全体的に減少傾向にある一方で女性の喫煙率の推移は「横ばい」だと広報担当者はいう。

 女性の喫煙は妊娠、出産に悪影響を及ぼすだけでなく、お肌にもよくない。タバコに含まれるニコチンが血管を収縮させるので皮膚の血流が悪くなり、シミやシワ、吹き出物が出やすくなる。実年齢より老け顔になり、「スモーカーズフェイス(たばこ顔)」とも呼ばれる。声はしゃがれて、口臭や歯の着色も起こる。

 最近では喫煙が「疾患」として見なされるようになり、06年から禁煙外来が一部の施設で保険適用になった。女性専用の禁煙外来もできている。東京女子医科大学付属女性生涯健康センターの阿部眞弓先生は、「30~40歳代の患者さんは多く、みなさん前向きに禁煙に取り組んでいます」という。

 また30、40歳代女性の喫煙者が増えている理由については、

  「この数年、20~30歳代の女性の喫煙率の上昇が問題にされてきました。現在、30歳代~40歳代の喫煙率が上昇してきているのは、単純に、元『20歳代~30歳代』の女性の年齢が上がったためと考えます」

とみている。

■一度、「依存」にはまってしまうと抜け出せない

 「一度、ニコチン依存にはまってしまうと依存から抜け出せないまま、年齢が上がっていく傾向があり、何かきっかけがないと、なかなか禁煙に踏み出せないのも事実」という。

 一方、国立がんセンターがん対策情報センターの調べでは20歳代女性の喫煙率が減っている。

 理由について阿部先生は、喫煙防止教育を受けている世代であることや、その世代が成人を迎えた03年に健康増進法が施行され、受動喫煙防止の観点から公共の場などで禁煙が広がったことなどを挙げている。

 喫煙が「かっこいい」と若者に思われていたのは昔のことで、今は「かっこ悪い」「みっともない」「周囲に迷惑をかける」というイメージに変わってきたことも、20歳代の非喫煙の傾向に拍車をかけているようだ。


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