知らないだけで、本当はいたんだね。。
暫く飼っていた
アタシに良く慣ついてたネコが、
突然噛み付いてきたやうな…
できたてのキズから流れる血は痛さよりも驚きが勝っていて。。
お久しぶりです。
河野ひとみです。
いよいよ、
本作品のトレーニングの要となる【バックコンストラクション】が始まりました。
(2週間前にスタートしてるので今更ですが…)
【バックコンストラクション】というのは、簡単に言ってしまうと、役作りに必要なモノ(感情や関係や感覚など)を即興芝居(その役を取り巻く環境を作り上げる)の中から得るというトレーニングです。
先週、
大友役のバッコンに参加させていただきました。
トレーニングの目的は高橋宙無演じる医学研究生の大友に対し【患者想いになるきっかけ】を与えるという旨でした。
設定は極めて単純。
【患者をモルモットとして扱う上司の下で大友にも同様に扱うよう強要し、葛藤させ、自身の反意志に対する行為から患者への想いを強くさせる】
というモノ。
言葉で言えば2~3行で終わってしまうような内容ですが、実際に【医学生・大友】を演じる彼に、この感覚・感情・思考を植えつけなければならない。
人間のそれは理屈ではない。
本当にそう感じさせるよう、本物として、コチラ側も存在しなければならない。
私から発する言葉や感情に少しでもウソが混じっていれば、どんなに取り繕ろうても、もう彼には偽物しか与えられない。。
だからこそ、
本物として全力でぶつかるのだけど、
私が投げたモノを、彼がどう受け止め、どう感じ何を返してくるか。。
それを仮定して全力で投げつけなければならない。
なぜなら、
これは単なる会話でなく、
私が彼を目的地へとリードしないといけないのだから。
彼の得たいモノを最短の距離で、掴ませてあげるのが私の役目。
私が投げたモノを、彼がカタチを変えて投げつけてくる。
ソレを受け止め、最短距離の選択肢の中からチョイスし、また全力で投げ返す。
こんな複雑な作業、全力でやってたら、脳内スパーク寸前。。。
彼に
【こいつ、ちょっと考えてやってるな…】
【こいつ、芝居だな…】
なんて思われたら、ぶっ壊れる世界。
それこそ猶予もなく、処理し、彼に猶予も与えず返さなければならないテンポもかなり重要。。。
【バッコンのルール】
①投げ手は、全力で相手の得たいモノに向かって投げつけ、受け手をゴールまでリードする。
②受け手は、自身を全開にパカパカに開き、投げつけられたものを吸収する。
と、
大友役の高橋宙無に、全力で私が投げつけると、彼、さらに全力で投げ返してくるんです。
当たり前ですが、この全力具合が半端ないくらいのパワー。。。
私がそのパワーに負けては、彼は得たいものが得られない。
【バッコン】が成立しなくなる。
私も更にパワーゲージ振り切らんばかりで投げ返す。
この大友のバッコンは大学病院の医師のやり取りの設定なので、専門知識の無いあたしは、本当はオロオロ。だけど、オロオロなんて微塵も彼には感じ取らてはダメ。だから感情任せに更に彼に投げつける。彼の全身から殺気くらいの怒りの感情が出ているのが、ものすごくわかる。足が震えてくる・・。コワイ・・。でも、ここで辞められない。
専門知識なんだか、説教なんだか、圧力かけてんだか、口げんかなんだか、、、もうよくわからないけど、彼から出る感情を、私自身の感情でねじ伏せるかのように、彼に投げつけまくった。彼がつぶれるまで、彼がゴールに辿りつくまで、彼が得るべきものを手に入れるまで、何度も、何度も、彼にぶつけまくった。。。
結果、彼は【医師の価値観】と言うものを得た。
【患者想いになるきっかけ】を得なければならないのですが、こういうことも・・・あります。
ここからは、受け手の彼が、得たものを実際の役作りに活かすように役にはめ込んでいく。
本来ならば、投げ手の私は、ここでトレーニング終了。
でも、今回はコレだけではなかったんです。
私は見つけてしまいました。
私は今回の【バッコン】で思いがけないモノ見つけた。。
あまりにも投げることに必死になり、あまりにも受ける感情が強くて、あまりにもキャパシティーが足りなくて、
今まで私自身、認識していなかった私がポロリッと出てしまった。
【あまりにも冷酷な私】
私の中で考えても出てこないような言葉やそれに付き纏う感情が、【あまりにも】に引っ張られて出てきたようなのです。
自分自身、一瞬理解できずに、驚きましたが、、これも【バッコン】なのかもしれません。
【バッコン】は
本当は存在する。
知らないだけのあたしを引きずり出す、
恐ろしく、愉しいトレーニングなのかもしれません。。。
朝比奈 舞役 河野ひとみ 俳