暗中模索 | 俳優として一流に・・・そして新たな映画の可能性に向かって・・・

暗中模索

俳優として一流に・・・そして新たな映画の可能性に向かって・・・-宮下写真


宮下純です


さて、桜としての日記を書いていた私ですが……一年って長いです。


書いているのは何をしたかと、飛雄の様子。


桜は自分のために何かをするという事は基本的にしない。


疲れるということはないし、寝る、という必要もない。


寝ない、ということは一日がかなり長いです。


ふと、桜は自分の仕事を終え、飛雄が寝てしまった後に何をするのだろう、と考えました。


人間なら趣味に時間を費やすところでしょうが、桜はヒューマノイド。


家電だったら電源オフだけど、桜は常に待機中。


テレビを見て面白いことを研究するか、飛雄に気に入られることを考える。


誰かのために生きている。


嫌われても、受け入れられなくてもそれでも努力をする。


桜は言う。


「飛雄君に会えて嬉しかった」と。


嘘ではない言葉だ。


飛雄は私を受け入れていない。


だけど、私は嬉しかったのだ。


喧嘩をする。


だけど、会話ができることが楽しい、とか。


顔を見られるだけで嬉しい、とか。


桜は、最終的には負の感情を抱く。


途中まではそれはない。


抱くきっかけは明確に台本に書いてある。


だから、私が作るものは飛雄に好かれるために努力をし、結論に気づく寸前までの桜だ。


どこまでを気づき、何処から気づいていないのか。


その明確な線引きをしたい。


何を感じるのか、何を感じないのか。


一気にわき出る負の感情をどこでせき止めていたのか。


桜は、三体のヒューマノイドの中で一番振れ幅が大きいと思っている。


一番ヒューマノイドらしかったのに、一番人間に近くなる。


台本には明確なプランが書かれているのに、埋める作業ができていない。


何が必要で、何が不必要なのか。


その線引きがまだ出来ていない。


シルエットしか見えてきていない。


初めに見えている気がしていたものすら、今は見えなくなってきている。


どうすればいいのだろう……。