Quantsを得意科目にするには、とにかく統計学の知識を徹底的に身に付けることです。マニアックな内容ではなく、基礎的な内容を完璧に理解することが重要です。参考書は世の中にたくさんありますので、自分にとって使いやすい本を1冊選びましょう。
前提として、最低限の数学はCMA用のテキストなどを使って理解しておきましょう。ここでいう最低限の数学とは、数列、微分、対数など、高校数学(ⅡBまで)のレベルです。Quantsに限らず、他分野の科目でも必要になってきますので、避けようと考えるのはやめましょう。統計学を苦手とする人は、大部分が数学が苦手な人です。ただ、最低限の数学を身に付けずに統計学、計量経済学をこなすことは無理と断言します。仮にできても、それは全く意味がありません。話せば、いかに本質を理解していないかがすぐに分かります。統計学のテキストと並行して、証券アナリスト向けに必要な数学のみを扱った市販の本にも取り組んでいきましょう。
統計学のテキストとして、昔のものになりますが、例えば下記のものが挙げられます。
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「はじめての統計学」 鳥居泰彦著
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「基本統計学」 豊田利久、小川一夫、谷崎久志、大谷一博、長谷川光著
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「統計学入門」 蓑谷千鳳彦著
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「統計学入門(基礎統計学)」 東京大学教養学部統計学教室
数学アレルギーがある人は①に取り組みましょう。この本で分からなかったら、他の本でも理解できないと思われるくらい簡単な本です。ただ、できれば、②までは理解しておきたいところです。これも必要な箇所が網羅されていて、非常に理解がしやすいテキストです。CFAレベルだったら、②まで理解しておけば十分です。
数学に苦手意識がないならば、③と④がおすすめです。これらの本が理解できるならば、統計学をしっかり理解していると言えるでしょう。いきなりこれらの本に取り組むのはあまりおすすめしませんが、慣れればいずれも容易なレベルです。もし、微分、積分、行列などが得意ならば、「経済分析のための統計的方法」(岩田暁一著)が個人的におすすめです。統計学、計量経済学(初歩)を数学的な観点から深い理解ができるテキストです。ただ、数学的な難易度はかなり高いです。いずれもschweserと並行して取り組んでいきましょう。
次は、計量経済学のテキストを見ていきたいと思います。