~前記事からのつづき~
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東寺金銀銅杯
毎年11中、DX東寺で行われる個の祭典。
この大会が如何に凄いかは以下の香盤を見ればわかる。

2012  第45回大会

1.長谷川凛
2.山口あゆみ
3.清水愛
4.羽音芽美
5.HIKARU
6.真白希実

2011  第44回大会
1.虹歩
2.匠悠那
3.白雪恋叶
4.HIKARU
5.成島りゅう
6.真白希実

2010  第43回大会
1.篠崎ひめ
2.山口あゆみ
3.HIKARU
4.浜野蘭
5.虹歩
6.小澤マリア

2009 ガサによる休館

2008  第42回大会
1.篠崎ひめ
2.柊あすか
3.豊田せりか
4.HIKARU
5.西野さゆき
6.灘ジュン

これら香盤に弱いカードは一切ない。
歴史あるこの大会ため、予算の限り考えうる最高のものを提供しようとする妥協なき東寺スタッフの姿勢がみえる。
そんな中HIKARU 金銀銅杯無敗。
殿堂入り確定の実績である。

せっかくなので以下プレイバックしてみよう。

先ず目が行くのが2008年。
HIKARUちゃんの他、篠崎ひめさん、西野さゆきさん、灘ジュンさんが乗っている。
なっ、なんなんだこの香盤は!今となっては当たり前だが実現不可能な豪カードだ。
特に灘ジュンさんは強力。その実力をマット界で例えるとかつてのNWA王者ハーリーレイスに匹敵する。可愛さ、知名度は実質スト界一だ。
そんな強大な黒船を向こうに、HIKARUちゃんはステージはもちろん、その気さくさ、人間的な魅力で関西スト客を虜に・・・。さらに各地転戦における
地廻りで培った術であろうか。ポラにおいて尋常ならぬ達人ぶりを披露し、ものの見事に“金”を獲得した。

2010年。これまた鳴り物入りの黒船、Vでアジア圏を席巻した小澤マリアさんが乗っている。
が、Vや知名度ではともかく、さすがにHIKARU、ひめ、虹姐さんが乗るなかでのトリはきつかっただろう。
ファン投票1位、初回から多大な物量のプレゼントや差入れを受けるひめさんが本選トップ連続出場を果たす。
しかしHIKARUちゃん、タイトルホルダーとしての意地を見せ、僅差で“金”初防衛に成功した。

2011年。ストドラフト1位、真白希実さんが参戦。当時バリバリに売り出し中、全盛期のPL学園エース並みに注目されていたロックのホープだ。
いきなりのトリ起用には東寺サイドからの期待の大きさも伺える。
華のトップステージを飾ったのはレインボー虹歩さん。昨年に続いての本選出場だ。次景の悠那さんとはこの時チーム構想が生まれたらしい。そのチームショーはちょうど翌年11中デラカブで花開くことになる。
この年の香盤は外出を許してくれない。
3景デラカブのエース白雪恋叶さん。同じDX系のエースをここで持ってくるとは劇場側の演出もなかなかにくい。
そして四番HIKARU、5,6とロック姫が連なる。
ユーザーさん情報によるとトリの真白さん、そのポテンシャルはすでにメジャーリーグ級で朝日のように輝く舞いをみせたとのこと。対するディフェンディングチャンピオンのHIKARUちゃんは「私は風」を。
私は風~旅立ち~」・・・それは豊饒なる夕日を、また黒天狗により漆黒の夜を物語るかのような演目であった。
魂抜かれた会場。満場一致でHIKARUちゃん金となった。

そして昨年(2012年)。力をつけた真白さんが再びエントリーする。
このときの真白さん、超弩級の演目「牡丹」を引っ下げての3コ出し。すでにポラ館最強になっていた。
真白さんに金を獲れない要素が見当たらない。今度ばかりはHIKARUちゃんもさすがにやばいハズである。実は当時の私の予想も“金・・・真白希実”だった。
が、終わってみれば違う結果がでる。
観劇を終えた関西のアメンバーさん、いずれも“金・・・HIKARU” 演目「二丁拳銃」で一致。開いた口が塞がらないの程のパフォーマンスだったそうだ。
11頭の大和楽日で私もその演目は観ていて、どちらかというと真白さんの3演目に衝撃を受けていたのでやや意外な印象を受けた。だがそれだけ金銀銅でのHIKARUちゃんは凄かったのだろう。
また経験の差や姐さんとしての気持ちの表れが出たのかもしれない。なにかそんな気がした。いずれにせよ真白さん、またしても銀に。
A級小倉の最高称号保持者、スーパーアイドルHIKARU防衛の仕方を知っていた。

この5年間の東寺金銀銅杯は、とどのつまりHIKARU劇場だった。このV上りでない生え抜きの踊り子がロックのエリートをことごとく破るという、非ロック、非V派にはたまらないストーリーが展開された。しかもトリではない位置からである。
そんな偉業を成し得たカリスマが今年は金銀銅杯への出場を辞退する。そして、川崎へ。

名勝負製造機が虎の子のタイトルを返上してまで川崎に乗るわけ。
ひとつは本人も言っていたが、伝統ある大会の舞台を後進に譲るということだった。
後輩思いのHIKARUちゃんらしい理由だ。
そして、もうひとつ。
それは予想できる。
いや、HIKARUばかの自分にとって容易に想像できてしまった。

つづく