この前、ちょっと帰りが遅くなった日
遅くと言っても21時過ぎくらいだよ
最寄駅から家に向かって歩いていると
途中から
「えへっ」
「えへっ」
って声が聞こえてきた
電話でもしてるのかな?と思っていたけど
ずっと「えへっえへっ」としか言わないし
変だなと思い
少し早足で歩くと
えへっも同じ歩調でついてくる感じ
住宅街を歩いているので
周りに家はあるものの
自動車は通らず歩く人もいなかった
だんだん気持ち悪くなって
持っていたジャガイモ・にんじんの入った
エコバッグを
振り回しながら歩く
こういう時って
怖くて振り返る勇気がない
後ろの気配を気にしながら
エコバッグを振り回し
小さい声で「火事だ!火事だ!」と唱えながら
早足で歩くせざちん
それ自体がもう充分変な女
「火事だ!」は、もし襲われた場合
「助けて〜」じゃ、誰も関わり合いたくないから
出てきてくれない
「火事だぁ〜」と叫べば
誰でも飛び出してくるって
せざちんの防犯対策なのさ
そして、咄嗟の時は声が出ないっていうから
いつでも大声出せるように
小さい声で唱えるの
とうとう
我が家の近くまで来てしまい
このまま家に入ったら
自宅を教えているようなもの
交差点で立ち止まり
おもむろに携帯を取り出し
「今、近くまで来てるんだけど
家どこだっけ?わからなくなっちゃったから
迎えに来てくれない?」
「えーっと、今ねここの交差点のところ」
「うん、じゃ待ってるね。ごめんねぇ」と
友人の家を訪ねるふりで
ひとり芝居の架空電話をした
近所の人がみたら
ボケたかと思われちゃうね
でも、この攻撃で
えへっえへっは、反対側に歩いて行った
しばらくその後姿をみてから
ダッシュで家に行き
鍵を開けているところを見られないよう
しゃがんで鍵を開けたさ
無事、ご帰還おめでとうって感じで
祝杯をあげたくなった出来事でした