あの頃、
まだまだ わたしたちは入社したてで
就職試験のころに初めて買ったスーツを
そろそろクリーニングにださなきゃなぁ、、、
なんて
ぼんやり考えながら、
会社にも
新人をゆっくりと規格品に仕上げていく余力が
あって
特にガツガツと仕事を与えられるわけではなく、
むしろ
毎日 日経やその他の新聞を
わざわざ 就業時間がはじまってから
「読むように。」
っと軽く指示が出る程度の毎日。
「これが仕事なの?」
「この程度で お給料ってもらえちゃうの?」
っていうくらい ゆるゆるだった。
あ、これは女子社員ね。
もう少し説明すると、
数年前に
男女雇用機会均等法 っていうのが
はじまって、
ま、これが わたしが採用された「総合職」
で、
選ばれた頑張る子は お茶くみだけじゃなくって
君たちにも 男子と同じようにキャリアを積めるし
昇進だってあるんだよぉ~。
っていう制度で、
「よ~~し、じゃあ頑張ってみよっかな?わたし。」
的な女子が集まってた。
ただし、
わかりやすいように言い直すと
そうね、
高校時代に 理系のクラスにいちゃった女子?
社内でいうと
多数女子のなかには入れなくて
かといって
男子社員のなかにも入れてもらえない。
会社側も
始まったばかりの制度に
この子たちを どう扱ったらいいのかわからない。
っていうのが 正直なところだったかな。
ちょっとだけ
溜息がでそうになった、
わたし 間違っちゃったかなって思いはじめた
5月のある日、
パーテーションで区切られたデスクの前から
ひょっこり首だけ出して、
「あのさ、 今週の金曜日、飲みにいこうよ。みんなで。」
って 誘ってくれたのが山田くん。