とあるカップルの話〜ハロウィン編〜
クラスの連中もお菓子を持参し、交換し合って浮き足立っていた。
先日からラブラブ交際が始まったあのカップルも例外では無いだろう。何せ付き合って初めてのイベントだ。
そう思い、地場と月野を恐る恐る見てみる。
「とりっくおあとりーと♪お菓子くれなきゃイタズラしちゃうよ?」
「へぇー、どんなイタズラか興味あるからあげない」
「まもちゃんのいじわる~!」
やっぱり始まってたな。地場と月野版ハロウィンイチャコラ。
月野のイタズラって何だろ?単純に興味あるな。
「次は俺のターン!TRICK or TREAT、お菓子くれなくていいからイタズラさせろ!」
おい地場、何だよそのどストレートな願望丸出しの欲望。
もう本当にクールな仮面外しちまったんだな。
クラスメイトの面前でもイタズラしたい程月野が好きでたまらないんだな?
そうか、今までがクール過ぎて今の感情のリミッターがおかしくなっちまったんだな?
俺の大好きなクール地場よ、さようなら……。
そしてようこそ、デレデレ地場。
こっちの地場も受け入れられるように俺、頑張って免疫つけるから待っててくれ。
「まもちゃん、言葉間違ってるよ?」
「イタズラしたいからワザとだよ」
あざといな地場よ。気付いてない月野もどんだけ鈍感なんだよ!
って違う違う。どんなイタズラ希望だ?
俺が考えている様な大人で邪な奴か?
色々考えを巡らせていると答えがすぐにやって来た!
「うさ、愛してるよ」
「まもちゃん」
ガバッと月野の後ろから腰に手を回し、両手を恋人繋ぎで絡ませ、耳元でそう愛を囁くクールからキャラ変したデレデレ地場。
思いもよらぬ行動だったのか月野も大テレで頬を染め、うっとりしていた。無意識の色気発散ヤバッ!
「私も大好き」
そしてまたイチャコラしながらの告白合戦が始まってしまった。
ご馳走様でした。また胃もたれしそうだから胃薬飲もう。
おわり