好きな人と薔薇






「まもちゃん、いつも助けてくれてありがとね♪」

デートで花屋を通った時、うさぎはいきなり衛に感謝の言葉を伝えた。
助けた後に言われたなら分からなくもないが、今は戦いも無く普通の日常の中だ。衛はピンと来ない。

「急にどうしたんだ?今は助けてないぞ?」
「うん、花屋さんに薔薇があったから思い出したんだ♪」
「確かに置いてあったな!」
「薔薇と言えばまもちゃん!だもんね?うふふっ」
「そっか、ちゃんと認識して貰えててこっちが感謝だよ」
「ん?何で?薔薇と言えばまもちゃんしか思い浮かばないよ?」

さっぱり検討もつかないと言った様子で、ただただキョトン顔をしている。

「まこちゃんも薔薇のイメージが強いと俺は思うけど……」
「そー言えばそーだ!薔薇のピアスがとても似合ってるよね!薔薇のピアスでゾイサイトに対抗して行ったのはかっこよかったなぁ~」
「何か妬けるなぁ……」
「???どーして?」
「薔薇技は俺の専売特許だろ?俺よりかっこいいと面目丸潰れだよ…」
「大丈夫だよ!まもちゃんはいつもかっこいいよ♪」
「ありがとな。だけどあんまり褒められてる気がしないな…」
「セーラームーンになった当初から助けてくれたじゃない?薔薇が飛んでくる度、安心したんだよ!だから薔薇と言えばまもちゃん!まもちゃんは私の中では薔薇の人なの」
「そっか……。うさこにそう言ってもらって良かったよ」
「うん、薔薇を持つまもちゃんは無敵で素敵♪」
「照れるなぁ。……はるかくんとみちるくんはどうだ?」
「へ?」

またも訳が分からないと言った様子のうさぎ。

「何ではるかさんとみちるさんが出てくるの?」
「2人も薔薇ってイメージだろ?」
「百合の間違いじゃないの?」
「百合?何でだ?」
「百合界のカリスマって言われてるよ?薔薇は男同志でしょ?」
「という事はクンツァイトとゾイサイトか?そう言えばゾイサイトは何かと花びら散らしてたな……」
「きっと薔薇の花びらだよ!」
「知らず知らずのうちに薔薇対決していた事になるな……」
「本当だ!いっぱいタイマン張ってたもんね!かっこよくて惚れ惚れしちゃってた!」
「サンキュー♪」
「でも何ではるかさんとみちるさんが薔薇なの?」
「登場時に薔薇が舞ってたろ?」
「言われてみれば!ドゥードゥーの奴だ!優雅な登場で絵になる2人だよねぇ~」
「その場の雰囲気がガラッと変わって、全部持っていくよな!流石は百合界のカリスマと言われているだけあるよ」
「私たちも負けない様にラブラブしようね♪」
「ああ、そうだな!」

うさぎにとってはずっと“薔薇の人”と言えばタキシード仮面様の様で、それが確認出来て衛は安心した。




おわり