「未踏峰」笹本稜平を読み終えた。
「春を背負って」をシネマで見る前に原作で読み、
奥秩父の山小屋を舞台とした小説が映画では
立山の山小屋の話に換えていたが、原作の
面白さに魅かれ、いつもながら、気になった著者
の作品をいくつか読み続けることになった。
デビュー作で初受賞作という「時の渚」、山岳
小説が多いだろうと思っていたら「越境捜査」
のような刑事、いや探偵もの?も多い。結構、
多種のジャンルを書ける作家でそれぞれの
本格さはびっくりするほど。
「未踏峰」は本格山岳小説と呼べる一品で、
かつて有名なクライマーだった通称パウロさん
の遺骨を持って、パウロさんが経営していた
北八ヶ岳のヒュッテに雇われていたそれぞれ
わけありの若者3人がヒマラヤの未踏峰に
挑むストーリー。
内容はおいて、終盤で、実はパウロさんが
かつていわゆる晴れ男で知られていたとの
会話があり、英語で Rainbow man と呼ばれて
いたという記述が気になり検索すると、晴れ男、
晴れ女に相当する英語はない、とされている
Q&Aがほとんどだった。
(例)
「実は、文法的に正しい表現があるかどうか
分かりませんが、たぶん晴れ男は英語で言うと
sunshine bringer、雨男はrain bringerで分かる
と思います。」
しかし、Rainbow man は言い得て妙で、小説
の上だけでなく、実際に通用するか試して、
いや聞いてみたいものだと思う。
「あいつが来るとどんな雨でも上がって虹が
出るんだよ」、なんて言われるヤツ、いいじゃ
ないですか。