大都会の真ん中、千代田区にどれほど「自然」があるか、


知られているところでは皇居、それも一般人の入れない吹上御苑

には武蔵野の自然が残っているという。通常、散策可能な所が

東御苑、お濠周り、北の丸公園といったところ。他には日比谷公園、

ここは渡り鳥も通過するので観察ポイントとしてはずせない。

最近のニュースでは絶滅危惧種のツツイトモという水草が大繁殖

して対応に追われていると報じられた


千代田区も生物多様性国家戦略に基づき、地域戦略を策定する

動きを始めていて、8月5日の広報では推進会議に住民から委員を

募集するなどしていた。


秋葉原近辺では神田川には冬場ユリカモメがやってきて夏になると

ウミネコに入れ替わる。メジロやハクセキレイ、冬場の夜にキンクロ

ハジロなどを見かけることも多い。


そして街中で意外と知られていないのがツバメの繁殖、高層ビルや

マンションの谷間、古いビルの駐車場や住宅の軒先に4月頃飛来して

営巣し、子育てをして9月頃、南国へ帰っていく。しかし、再開発などで

段々と数が減っていくのか、と思うが、「千代田の野鳥と自然の会 」の

定期調査では増える傾向も見られたりしている。

ツバメの営巣にはいくつかの条件がある、近くに土があること、巣が

付き易い素材の壁があること、人の出入りができれば昼夜通してある

こと、この条件は昔から言われてきたツバメが巣をかける店は繁盛する

と言われる所以。もうひとつが外、つまり道路側から丸見えではなく、

庇があるとか、一歩中へ入らないと見えにくいなど、天敵であるカラスに

見つかりにくい、攻撃されにくいことがあげられる。もちろん、餌になる

羽蟻などが発生しやすい場所が近くに必要だが、いずれにしろ、人間

の生活に密着して繁殖しているのはスズメなどと同じスタイル。スズメ

も人家のないところでは見られないという。


武蔵野の面影のある雑木林ばかりが「自然」ではなく、都市部、街中

にも「生態系」、「生物多様性」があることを認識して住みよい街づくりに

活かしてもらいたいものだ。