ceryetiの自作小説



2013/1/19 遠野市 カッパ淵にて

 先月の遠野旅行より一枚。
 カッパ淵のある常堅寺は駅から遠く離れているのですが、慣れない雪道をひたすら歩き続けました。
 時季のせいでしょうが、観光客は全くいませんでした。動物の足跡のほかはなにもないまっさら越えた先に、きれいなせせらぎがありました。

 カッパはいないかなと川の周りを散歩していたところ、運悪く雪に隠されたクレバスのような深みにはまってしまい、誰もいない雪の中でひとりもがき苦しんでおりました。房州の南国育ちには雪はつらいものがありますね。雪国は歩けば滑るしわからない深みに突然はまったりします。

 このカッパ淵自体は行っても特になにかがあるわけではなく、カッパの伝説があるきれいな小川といった風情ですが、そこにたどり着くまでに雪深い遠野の美しい風景を堪能できたのでよかったです(カッパは出ませんでした)。

 カッパと言えば、遠野に着いた時に駅前でそばを食べたのですが、そのお店変なピンク色のカッパみたいな恰好をしたオジサン(お店の人)がいらっしゃいました。遠野に着くなりカッパの歓待を受けるという趣向だったわけですね。せめて座敷童にしてもらいたかったものです。


 夜は大きめのホテルに泊まりましたが、外国人の団体さんと一緒になりました。観光客もなにもいない様子だったのが、ホテルに着くなり大型バスが何台も乗りつけてくるものですから、驚きました。
 風呂場や食堂で何度か話す機会があったのですが、どうも留学生の団体ボランティアだったようです。
翌日から東の釜石など海のほうで活動をするのだと、目を輝かせていました。外国の若者が、冬の遠野に大挙して観光なんて、そんなことはないんですね。しかし中には、明日から釜石だそうですねと尋ねてみても、「ぼくどこに行くかワカラナイ……」なんてひともいました。いろいろお話をしましたが、かわいらしい一団でしたね。

 そんな出会いあった旅でした。