17年前、この畦道。これが私と3人との出会いだった。やんちゃ坊主でリーダーの田嶋好雄、おなじくやんちゃ娘で負けず嫌いの山城岬、そして控えめだが勇気がある倉見朔司。その仲良し3人組に私を加えた4人は誰が言うともなく集まって山に川に、村中を駆け回って遊んでいたのだった。
あの頃の私は泣き虫だったな。そう独りごちながら私は畦道を抜けていった。
この場所に帰ってきても彼ら3人に会えるわけではない。知っている人がいるわけでもない。だがそれでも私は帰ってきた。あの頃の、あの夏の思い出のために。
畦道から別の道路に出て、さらに進むと橋が見えてきた。
上臈橋。村の中央を流れる芦川に架かる古い橋だ。
この場所も思い出深い。私は橋の中央まで進み、流れる川面を見下ろした。芦川の水は以前と変わらず穏やかに流れている。その橋の欄干の外側には昔の木造橋だった頃の橋桁を摸した意匠が施されているのだが、その中の中央のひとつが他と比べると明らかに磨り減っているのがわかる。
普通ならそこだけ磨り減るようなことはないのだ。だがこの橋桁には昔からこの橋が出来てからこの方、いや、木造だった頃から多くの子どもがこの上に立ったのだ。そして私も、その多くの子どものひとりだった。
こうしていると怖々と橋桁の上に立ったあの時の自分の姿が、目に浮かんでくるようだ――――。