よくお葬式の時に、祭壇の前にお供えされている精進料理のお膳がありますね。
そのお膳のことを、「御霊具膳(おりょうぐぜん)」といいます。
これも前回ブログでご紹介した松明と同様、浄土真宗以外の宗派では葬儀の際は必ず祭壇の前にお供えされています。
法要やお彼岸、お盆や命日の際も、ご自宅のお仏壇にお供えされている方も多いのではないでしょうか。
(ちなみに札幌では短く「御霊供膳(おりくぜん)」というのが一般的です)
ご自宅ではご先祖の為、葬儀では故人の供養のためにお供えされているのですが、基本はご飯のほか「一汁三菜」となります。
一方でもう一つ、陰膳(かげぜん)というお膳もありますね。
最近では御霊供膳と同様、故人に対してお供えされることが多いので、同じだと思われる方も多いと思います。
でもこの陰膳、元々は意味が全く異なり、亡くなった方に対してお供えされるものではなかったんですね。
長旅などで長期不在となった人のために、無事であるようにとの願いを込めてお供えされていたお膳なんです。
いわゆる「安全祈願」ですね。それがいつの間にか、亡くなっても同じく「旅立ちやその人のことを祈る」という意味で、法事の場などでもお供えされるようになったというわけです。
ちなみに先にご紹介した御霊供膳ですが、実は各宗派により若干三菜の容器や配置が異なりますので、気になる方は菩提寺に一度お尋ねしてみるのもよろしいかと思います。
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