本州の人たちは北海道の熊に対して過剰反応し過ぎる傾向があるが、実際には観光客や登山客が山で熊に遭遇するめつたことは滅多にないといっていい。

怖いもの見たさで多少は遭いたいなと思っても、ほとんど遭えないのが現状である。

チラッとでも姿を見かけたことのある人は幸運といえる。

私ふんもいままで何度も北海道の熊棲息域を歩いているが、一度知床で大きな鷹を見ただけである。

だが、もし出遇ってしまった場合はどうすればいいか。

幸運を喜んでばかりはいられない。

まず慌てないことである。

熊を脅かし、刺激してはいけない。

咄嵯に逃げ出したりしてはいけない。

熊に限らず、動物は逃げるものを追う習性がある。

かといって面と向かって戦おうとしてもまず勝ち目はない。

死んだ振りをすると助かるとはよくいわれていたことで、実際過去の例では、熊に出遇って抵抗した者には死亡者があり、無抵抗だった者は怪我で済んでいる。