夢食い
この間の悪夢からしばらく経った。
相変わらずオレの見る夢はへんてこりんである。
バイト先のコンビニのフライヤーで調理をしていると、雷が店に直撃。
さらに地震が起きて身を伏せるオレ。強い振動によって津波と化したフライヤーの油を頭からかぶってしまうという、実際に起こった事件なら全国紙に載りそうな夢だった。
また空から降ってきた宇宙外生命体を素手で殴り倒す夢。またある時は変身ヒーローになったり、なぜかパンツが無い状態でMGSばりに街中から家に帰還する夢だったり、誰もいないところで空を飛べる能力(ドラゴンボールの舞空術的な技)を人前で見せようとして恥をかく夢を見た。
夢の中のオレはまさに変態超人なのだ。
しかしそんなことはどうでもいい。
最近汗をかかず眼を覚ますことが無い。いくら寝ても寝不足である。
そのせいで財布を二度ほど教室に置き忘れた。
授業はほとんど昼寝するようになった。
お客さんに渡すつり銭を間違えた。
TVのリモコンがどこかに消えた。
携帯電話の電波が家のなかで一本だった。
爪を切りすぎて深爪になった。
好きだった子とちょっと話した。
多分、プロMで倒すのが延長になってるディアボロスが先制攻撃してきたのだろう。
今週こそ倒してぐっすり寝てやる!!!
ゆめ
バイトしてたら万引き犯を見つけた。
逃げたので、相方にレジを任せて飛び出した。
駐車場の方に走っていったので追いかける。
犯人は車で来ていたようだ。白の軽ワゴン。
急いで車の前に飛び出し、進ませないようにする。
どうやら表情から察するに、諦めたようだった。しかし車から犯人が逃げる様子もない。
オレはほんの一握りしかない勇気を使い、車の横に寄り、ウィンドウを開けてもらおうとした。
上30%空いたので、そこに指を突っ込み抗議する。
その瞬間、オレは犯人に誘拐されてしまった。
助手席に押さえつけられ、そのまま車は急発進。面している県道を猛スピードで走り抜ける。
オレはどうなってしまうのか…。
恐怖におびえながら犯人の顔を見ようとしたそのとき
目が覚めた。
今日も悪夢だった。
今日はどんな夢を見るのだろう…?
「初体験
人生で初めてタバコを吸った。
友達に勧められたのである。元々嫌煙家なオレだが、なぜか一本だけ、吸ってみようと思った。
一回ならバレないだろう、というつまみ食い程度の感覚だった。
一生に一度も吸うことはないだろう、と決めていたのに意志の弱い男である。
煙草を口にし吸ってみる。
喉が痛いがスッする。むせそうだ。
だが友達の前だ。無理に強がって我慢するが咳き込んでしまう。気管にツバが入り込んだ時の感覚にそっくりだ。涙目になり、更に風邪の初期時のようなイガイガが喉に残る。
だが結果的に不思議と『もうちょっと吸ってみよう』と思うようにまでなり、タバコの身長が半分になるまで吸い続けた。これは中毒になるのも分かるかもしれない。タバコも決して悪くない。
今度、自分に会うタバコを買いに行こう。
」
という、夢を見た。
眼が覚めたら喉が乾いていた。余りにリアルな夢だった為、吸殻が落ちてないか確認してみたが何も無かった。
火事にならずによかったと安心したオレは、冷えたウーロン茶を飲み二度寝に入ることにした。
