退職した社員と営業秘密 | 二代目社長強化計画

退職した社員と営業秘密

二代目社長強化計画-携帯電話・記憶
退職した社員と営業秘密

弊社のお客様の会社で、中途採用のかたをよく見かけます。

中小企業の場合、毎年決まった時期に新卒者をとるというのは、なかなか難しいものです。
人員、コスト、採用などがネックですね。

そんな事情もあってか、経験者で、自社に貢献してくれる人材を時期に関係なく中途採用しているようです。

中途採用者は、前の勤務先を中途退職しているわけですが、
営業秘密や、従業員の競業行為をどう考えているでしょうか?


ひとつの具体例を紹介します。
以下は、退職後に会社を設立(独立)したケースですが、参考になります。

*J-Net21 法律コラム-営業秘密を使った退職後の競業行為についての裁判例
http://j-net21.smrj.go.jp/t/124381/well/law/column/post_165.html
より抜粋

【事案の概要】
東京地方裁判所平成23年11月8日判決
投資用マンション販売等を業とするX社(原告)の営業社員(被告2名)が、
営業秘密である顧客情報を取得し、退社した後に設立したY社で、この顧客情報を使用してX社の顧客に連絡し、
X社の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知するなどしたとして、損害賠償を求め・・・

・・・
【携帯電話に残ったデータや記憶も営業秘密か】
裁判所は・・・
営業社員の携帯電話や記憶に残っていたものもX社の営業秘密に該当するとしました。その判断にあたっては、
(ア)顧客情報の帰属先、(イ)秘密管理性、(ウ)有用性・非公知性のそれぞれの点について検討されています。
(ア)顧客情報の帰属先については、X社から投資用マンションを購入した顧客の個人情報は、X社の従業員が業務上取得した情報であるから、これを従業員が自己の所有する携帯電話や記憶に残したか否かにかかわらず、勤務先に当然に帰属するとしました。
(イ)秘密管理性については、(a)顧客情報が電子データとして一元管理されていたこと、(b)入室が制限された施錠付きの部屋に保管され、利用も営業本部所属の社員の一部に限定されていたこと、(c)就業規則で秘密保持義務を規定し、退職時には秘密保持に関する誓約書を提出させたり、ISMS認証やISO/IEC27001認証を取得し、これに基づく研修・試験といった周知・教育のための措置を実施したりしていたことから、顧客情報は秘密として管理されていたということができるとしました。
 これに対し、被告は、関係書類が机上に放置されていたり、写しが上司に配布されたり、上司の指導で休日等における営業のために自宅に持ち帰られたり、手帳等で管理されて成約後も破棄されなかったり、就業規則が周知されていなかったりするなど、ずさんな方法で管理されていたことから、秘密管理性を欠くと主張しましたが、それは営業上の必要性に基づくものであり、営業関係部署に所属する社員以外の者が上記関係書類や手帳等に接し得たともいえないことから、営業秘密性には影響しないとしました。
(ウ)有用性・非公知性については、顧客情報は投資用マンションを購入した数千名の個人情報であり、一般には知られていないことから、X社の事業活動に有用な営業上の情報であって、公然と知られていないものとしました。

・・・
全文は、こちら
http://j-net21.smrj.go.jp/t/124381/well/law/column/post_165.html


上記のケースは、極端な事例かも知れませんが、これに近いことはよくありますよね。

経営者や上司と、社員の信頼関係がシッカリしていれば、こんな問題は起きないでしょう。

中途退職する従業員さんにも、いろいろと事情があるのでしょうが、信頼関係は保ち続けたいところです。

キレイごとかもわかりませんが



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