固有名詞は、ただ1つの人または物につけられる名詞です。その固有名詞に、 the を付ける場合と付けない場合があります。基本的な考え方はありますが、厳密なルールがあるわけではありません。また、多くの例外や、曖昧なもあります。そのため、基本を理解しつつ、慣用的な表現を覚えていくのがよいと思います。
<基本的な考え方>
the が付く場合
・一般名詞から構成される固有名詞
・唯一であることの強調、権威的な意味合いから慣用的に使われる場合
・the A of B となっている固有名詞
・the が付くことが慣用的になっている固有名詞
the がつかない場合
・人名’s （所有格）が使われてい固有名詞
・慣用的に the をつけない名詞の種類（人名、宮殿、城など）
・多くの人に認知され、慣用的に the を付けない固有名詞
大都市にそびえ立つタワーは、その存在感や美しさから、ランドマークとして多くの人に知られています。
多くの場合、名詞＋tower という複合名詞として呼ばれています。Tokyo Tower のように、名詞も部分が地名でも、tower が一般名詞なため、定冠詞を付けることができます “the Tokyo Tower”。しかし、この法則は、厳格には適用されておらず、それが、みんなが「あの」タワーのことただと認識できれば ”Tokyo Tower” と無冠詞でも問題がありません。
それぞれのホームページで、the をつけて紹介しているタワーです。特にエッフェル塔は、the を付けることが一般的に定着しています。
the Eiffel Tower (Paris, France)
the Space Needle (Seattle, US)
the CN Tower（Toronto, Canada）
the Sky Tower (Aukland, New Zealand)
the Elizabeth Tower (London, England)
日本にあるタワーは、そのホームページにおいて無冠詞として紹介されています。また、日本の英字新聞においても無冠詞とされることが多くみられます。ただ、英語圏のメディアでは、the を付けることが多い。
Tokyo Tower
Tokyo Skytree
無冠詞としていても、形容詞で修飾する場合には、冠詞をつけます。
the 2,080-foot-tall Tokyo Skytree
橋に the がつくかどうかは、明確なルールはありません。イギリスとアメリカで若干違うようです。アメリカでは、ほとんどの橋に the がつきます。イギリスでは、the を省略することが定着している橋をみることができます。
the が省略されている、イギリスの橋
Tower Bridge
London Bridge
Westminster Bridge
Waterloo Bridge
あの有名なロンドン橋の歌の中でも、the は付いていません。
London Bridge is falling down.
アメリカの橋のほとんどは、the がつきます。
the Golden Gate Bridge
the Brooklyn Bridge
the George Washington Bridge
the Tacoma Narrows Bridge
the Bay Bridge
駅、空港の名前そのものが、固有名詞になっている場合には the は付きません。
Tokyo Station (Tokyo)
Grand Central Station (New York)
Haneda Airport (Tokyo)
John F. Kennedy International Airport (New York)
駅、空港の固有の名称でなく、ただ単にある都市に駅や空港を示すときには、 the がつきます。このとき、station、airpot は、大文字でなく小文字で始まります。
東京には、成田空港、羽田空港がありますが、東京空港という空港はありません。このように東京にある空港という場合には、the が付きます。
the Tokyo airport
東京の空港
同じように、ニューヨークには、John F. Kennedy International Airport、LaGuardia Airport、Newark Airport の３つ空港があります。
the New York airport
ニューヨークの空港
