伊勢神宮:伊勢市三重県
仮定法が苦手という人は多いのではないでしょうか。if を使った表現方法が多くあり、それに時制が関わってくると頭が混乱してきます。また、仮定法では「もし~」という意味で if を使いますが、if が使われている場合が全て仮定法というわけではありません。
if を使う文を大きく2つに分類して考えると理解しやすいと思います。
1)ありえないこと(と思っている)
現実に反する仮定をし、現実と逆の結果を述べる(仮定法過去/過去完了)
2)ありえること(と思っている)
ある条件を仮定し、この条件下での結果を述べる(直接法)
ありえる、ありえないは、その事柄が事実かどうかということもありますが、話し手の意図に大きく依存します。
ありえないと思っている(もしくは、事実に反する)を意図して仮定するような場合には、仮定法過去(過去完了)を使います。
文法的な形式が決まっているため、話者の意図はこれで判断することができます。逆の言い方をすると、ありえないと思っていることに対する仮説の場合には、この構文を使います。
仮定法過去 :if + 過去形 …, would (could, should might) + 現在形 …
仮定法過去完了:if + 過去完了..., would (could, should might) + 過去分詞 …
次の例文では、仮定法過去の形式ですので、話し手は「宝くじに当たらない」ということを暗に示しています。
▸ If I won the lottery, I would buy a house.
もし宝くじにあったたら、家を買うのに
(宝くじには当たらないけど)、(当たらないので買えない)
仮定法に対して、直接法というのがあります。ありえると思っている(もしくは、ただ単なる条件)場合に使います。ただ単に、if節で主節のただ単なる条件を与えています。仮定法とは違い、「事実に反する」という意図は含まれていません。
現在:if + 現在形 …, 現在形 …
未来:if + 現在形..., will (can, shall, may) + 現在形 …
一般常識や科学的な事実など広く認識されている事柄は、if節、主節、共に現在形で表します。
▸ If ice is heated, it melts.
もし氷を温めると、溶ける
if節の「条件が与えられた場合」、「将来起こりうる結果」を表現するときには、if節に現在形、主節には未来形を使います。
次の例では、話し手は「宝くじに当たったら」という条件と、「家を買う」という将来生じるであろう結果を話しています。仮定法過去のときのように、話し手の意図として「当たらない」という気持ちは入っていません。
▸ If I win the lottery, I will buy a house.
もし、宝くじにあたったらた、家を買います
(宝くじに当たったら、家を買う)
過去形の条件節
ある条件が過去に起こることもあります。そのような場合 if節 が過去形となり、仮定法過去と同じ形になります。しかし、文全体を見ると仮定法過去とは違う構文となっていることから、見分けることができます。
次の例文を見てみると if節 は過去形になっていますが、主節が ”I am” と現在形となっているので、仮定法過去の構文ではありません。そのため、この if節 は、ただ単なる過去の条件文で、仮定法過去のように「ありえないこと」という意図はありません。
▸ If the photo albums of the family triggered new stories, I am happy.
この家族の写真アルバムが新しい物語の始まりになっていたのなら、私は幸せです
このような構文(if 過去形, 現在形)は、まれに見ることがありますが、文法書を調べても記載がありませんでした。そのため、試験などでは使わない方がよいかと思います。
次の例は、過去に起きたことに対して、こうすべきであったと回顧しています。この条件節は、be to do 構文の意図を表す過去形になっており、「事実に反する」という意味はありません。
▸ We needed to act if we were to compete.
張り合うのであれば、我々は行動する必要があった
写真について
天照大御神をお祀りする伊勢神宮。宇治橋を渡り広大な境内に入ったところから、神聖な雰囲気が漂ってきます。人々が真剣な面持ちで祈りを捧げていました。