副詞の多くは -ly で終わることが多いですが、中には形容詞と形が同じで紛らわしいものがあります。その紛らわしさを狙って、試験問題として出されることもあるので、意識して単語の違いを覚えておくと引っかからないようになると思います。

 

 

hard, hardly

 

次の問題を考えてみましょう。

 

 I work ____ than everyone else.

 (1) harder

 (2) more hardly

 

動詞 work の後に入る語句なので、動詞を修飾する副詞の比較級を入れればよいとわかります。ですので、形容詞に -ly がついて副詞となっている ’hardly’ を選びたくなります。

 

しかし、hardly は、「ほとんど~しない」という意味の副詞です。hard + ly となっていますが、形容詞 hard の副詞形ではありません。 

 

hard は、形容詞にも副詞にもなります。形容詞として使うと「難しい」、副詞として使うと「一生懸命に」という意味になります。

 

そのため、副詞の「一生懸命に」の比較形 ‘harder’ が適切な形となります。 動詞の後は副詞という知識に思わず引っ張られ間違ってしまうこともあるので、気をつけましょう。

 

 

Fast, Quick

 

次の問題を考えてみましょう。

 

 Bamboo grows ___ than other plants. 

 (1) faster

 (2) quicker

 

動詞 grow の後に入る語句なので、動詞を修飾する副詞の比較級を入れればよいとわかります。選択肢は、どちらも -er で終わっていて形容詞に見え、同じような意味を持っているので、悩む問題です。

 

fast は、「速い」という形容詞、「速く」という副詞の両方に使えます。

 

quickは、「速い」という形容詞で、副詞は quickly となります。そのため、形容詞の比較級 quicker は、適切ではありません。

 

したがって、副詞の比較級 faster が適切な回答となります。

 

しかし、辞書を調べると quick は、「速い」という副詞の意味の記載もあるので、quickerでもいいのではという疑問が湧いてきます。しかし、quicker を副詞として使うのは、informal な、口語やくだけた使い方であるとして、テストによっては quickly が正解であるとされることがあります。そのため、テストでは、quick の副詞には、quickly を使うのが無難です。