VFXとは
Visual Effects(ビジュアル・エフェクツ)
の略で、日本だと
”視覚効果”ともいわれます。
映画を代表する映像媒体において、
実写撮影では実現できない画像を意味し、
現実には見ることのできない
画面効果を実現するための
技術体系のことです。
今宵は、
そんなVFXの100年分の歴史が5分間に
凝縮された映像をご紹介いたします。
100 Years of Visual Effects in 5 minutesビジュアルエフェクトの真髄とは、
言葉を絵に、
テクノロジーを芸術に、
魔法を現実にする手段に他なりません。

~VES ビジュアルエフェクト ハンドブック 上巻~より
The Best Visual Effects in Movies!1993年公開の
スピルバーグ監督作品
『ジュラシックパーク』以来、
ここ20年は、
CG(コンピューターグラフィックス)の進化とともに
VFXも飛躍的な進化を遂げてきました。
自分の場合、
映画館で鑑賞した
『ジュラシックパーク』や
『トイ・ストーリー』が紡ぎ出す映像表現に心躍らされて
今日の業界を目指した一人でもあるので、
このVFXという魔法からは
引退まで逃れられそうもありません。
The Best Visual Effects in Movies! Part 2す、素晴らしい。
クリーチャーが暴れまわったり、
大爆発をおこしたり、
建物が倒壊したり…
といったハリウッドライクな
ド派手なVFXも大いに賛成なのですが、
僕個人の趣向としては、
さりげないながらも
これがVFXであると
観た人に感じさせない演出の方に
魅かれてしまいます。
例えば、
以前にご紹介させていただいた
ロバート・ゼメキス監督の
『コンタクト』(1997年)より
倒れた父親のために
2階に置いてある薬を急いで
取りに行くシーンです。
Contact mirror scene.走る主人公=エリーの姿を
ワンテイクの長回しで撮影されていますが、
洗面所のキャビネットの
鏡の扉を開ける時になって初めて、
実は鏡に映し出された映像だった
というさりげないVFXの技術を使った演出です。
父親を少しでも早く助けたい
といった切実な願いと
実際はキャビネットまでは短い距離なのに、
焦る気持ちで時間が長く感じてしまう
といった感覚を
スローモーションを用いて
巧く表現された名VFXシーンだと思います。
僕はゼメキス監督の
こういったさりげないVFXの使い方に
毎度感心しており、
彼の作品、
特に『フォレストガンプ』以降の作品
をVFXの教科書のひとつとして
参照させていただいております。
他にも
コーエン兄弟監督作品の中でも
記録的大ヒットとなった名作、
『トゥルー・グリット』(2010年)
のVFXの使われ方も実に素晴らしいです。
こちらの動画は
フリーのVFXアーティスト、
Gautama Murcho氏
の2011年のデモリールなのですが、
00:38 あたりからがそれに該当します。
車窓に映り込む西部の街並み,
そして風景が反射する窓そのもの、
彼女の後ろに流れる景色…、
すべて画像合成処理によるもので、
時代の空気感と彼女の流れゆく心理状態が
絶妙にマッチしています。
初見の時は全く気づきませんでした。
は、恥ずかしい…。
余談ですが、
この作品はVFXを熟知している
スピルバーグが製作総指揮を務めており、
さらに撮影監督があの
ロジャー・ディーキンス氏なので、
こういった素晴らしい画ができるのは
至極当然と言っても良いでしょう。
撮影監督に関してはまた別の機会に
色々と紹介させていただきますね。
そして最後は
アルフォンソ・キュアロン監督の傑作、
『トゥモロー・ワールド』(2006年)より
車を軸にした360度カメラのVFXシーン。
4分間もの長尺でカットなし。
ヱえッ!
どうやって撮影しているの!?
と感じられた方は
こちらのメイキング映像をご覧くださいませ。
(全て英語です)
http://www.youtube.com/watch?v=cBfsJ7K1VNk
緻密に計算された
タイミング、
カメラワーク、
芝居、
そしてVFX。
どれひとつ欠けても成り立たない
名VFXシーンのひとつです。
もうこの映画はですね、、、
僕にとっては
傑作中の傑作なのです。
他にもこういったVFXが
ストーリーを語る上で
必然的かつ効果的に盛り込まれているのが、
監督のセンスの凄い技でもあります。
そのアルフォンソ・キュアロン監督の
宇宙を舞台にした最新作、
『Gravity』
が今秋10月4日から全米公開されます。
日本公開は未定です。
Gravity - Official Teaser Trailer [HD]宇宙、こわっ~!!
VFXを今作でも多用されているのが
ティーザーからもよく分かりますね。
サンドラ・ブロック
ジョージ・クルーニー
がご出演されます。楽しみだ。
最高のVFXとは、
背景のストーリーを強調し、
観ている映像が作り物だということを忘れ、
観る人が思わず引き込まれてしまうような
作品の欠かすことができない
重要な要素のひとつである
と僕は頑なに信じて、
今後も制作に励みたいと思います。
長くなってすみません^^;
■■■今宵のおまけ■■■
これも古典的なVFXでいいかな…?。
