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釜山マル国際音楽祭 演奏旅行記

先日、セントラル愛知交響楽団は韓国釜山で行われた『釜山マル国際音楽祭』に招かれ公演を行いました。コントラバス奏者・榊原が演奏旅行の内容など少し皆様にご報告させていただきます。

 

初日9月1日は移動日でした。

中部国際空港から15:25発のフライトで釜山の金海国際空港に。出国ゲートを出たのが17:40頃。そこから荷物を積んでホテルまでバス二台で移動。

かなりの渋滞で海雲台(ヘウンデ)に着いたのが19:00を回っていました。チェックインをすまして各自晩ご飯となりました。

釜山は名古屋よりも少し涼しい印象です。明日は11:00にバスが出発。1回目のコンサートです。

 

海雲台は沢山の人が集まる観光スポットです。宿泊したホテルから5分程歩くと、すぐに美しい海岸です。

夕方になると気温も下がり、深夜まで沢山の人が海岸に集います。海岸も美しいですが、街並みの夜景も最高です。

韓国2日目、今日は釜山文化会館で1回目のコンサートがありました。釜山マル国際音楽祭のオープニングコンサートです。

沢山のお客様が見つめる中でバヤン(ロシア式アコーディオン)奏者が独奏の後、いよいよセントラル愛知交響楽団の出番です。オープニングコンサートの始まりです。

 

プログラムは

・シューマン:マンフレッド序曲

・アルチュニアン:トランペット協奏曲

・ドヴォルザーク:交響曲第8

・アンコール ドヴォルザーク スラヴ舞曲第1

トランペット協奏曲のソリスト  オッタヴィアーノ・クリストフォリさんの熱演が終わると沢山のブラボーの声。オッタヴィアーノさんは拍手に応えてアンコールを1曲演奏しました。

後半、ドヴォルザークの交響曲第8番が終わると『ウォー』という歓声とブラボーの声が。

お客様の拍手に応えてスラブ舞曲第1番のアンコール。沢山の拍手を頂きオープニングコンサートを無事終えることができました。

客席に目を向けると、なんと日本から駆けつけて頂いたお客様のお顔が。本当に心強い拍手を頂きました。ありがとうございました。

明日は1日オフの日です。明後日の公演のエネルギーを充電します。

 

 

韓国4日目、今日は2回目のコンサートです。ホテルからバスで約1時間、乙淑島文化会館に到着しました。

ソリストのダニエル・パルミッツィオさん(写真左:ヴィオラ)とマルタ・コヴァルツィークさん(写真右:ヴァイオリン)

来場したお客さんは2人の息のあった演奏に魅了されていました。アンコールに応えてお二人のデュオで美しい小品を演奏しました。

2日目のプログラムは

・ベートーベン: エグモント序曲

・モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラの為の協奏交響曲k.364

・メンデルスゾーン:交響曲第3 スコットランド

・アンコール グリーグ:ホルベルク組曲より前奏曲

コンサートは沢山の拍手の中で終えることができました。

韓国のコンサートは日本より少し遅めの19:30開演です。あまり日本と違いはないのですが、日没の時間が少し遅い気がしました。開演時間の19:30でも薄暗い夕方のような空でした。

 

 

韓国5日目、ここまで1日も雨に降られずに良い天気の中で日程が進んできましたが、本日はコンサートが始まる前から少し雨が降り始めました。

会場はホテルから最も近い海雲台文化会館でした。バスで10分くらいで到着。会場も少し小さめな印象でした。

さて3回目のプログラムは

・モーツァルト:フィガロの結婚  序曲

・ヴォーン・ウィリアムズ:チューバ協奏曲(ソリスト  ピーター・リンク)

・ヴィヴァルディ:協奏曲第4番  冬(バヤン  エフゲニー・ペトロフ)

・ブラームス:交響曲第2番

・アンコール  ブラームス:ハンガリー舞曲第1

 

ソリストのチューバ奏者  ピーターさんは仙台フィルハーモニーで活躍されているアメリカ人プレイヤー。リハーサルは指揮者の小松長生さんとも日本語で話し合うなど緊張感の中にもリラックスした雰囲気で終了しました。

ロシア式アコーディオンのバヤンという楽器とはセントラル愛知交響楽団のメンバーも初共演でした。繊細で華麗な音を紡ぎ出すソリストのペトロフさんのバヤンの演奏は大変魅力的でした。

 

お客さんも珍しい楽器に興味深々、ヴィヴァルディの四季より『冬』が終わると拍手喝采。

アンコールも2曲演奏しました。華々しいバヤンの演奏にアンコールを重ねる度にお客さんのボルテージは上がっていきました。

そしてブラームスの交響曲第2番が、この韓国公演、最後のプログラムとなりました。

終楽章を弾き終わると、本当に沢山の拍手を頂くことができました。

アンコールはハンガリー舞曲第1番。早めのテンポで最後のティンパニーのロールがクレッシェンドして終わるとお客さんは拍手喝采。

国際音楽祭のオープニングコンサートなど6日間で計3公演と楽ではない日程でしたが、指揮者の小松長生さん、オーケストラメンバー、事務局スタッフ他、サポートしていただいた沢山の方のおかげで無事、韓国公演を終えることが出来ました。ありがとうございました。

〈オーディション情報〉ホルン奏者募集

ホルン奏者を募集します。(募集締切 2017年10月16日(月))

1.募集セクション
ホルン奏者(主に1番、3番奏者)・・・1名

2.選考日時・流れ
・平成29年10月31日(火) 
・第1次選考の後、合格者のみ第2次選考を行う。
・面接(後日実施) 実技合格者のみ。

3.選考会場
名古屋文理大学文化フォーラム大ホール(稲沢市民会館)
〒492-8145 稲沢市正明寺三丁目114番地 ☎0587-24-5111
(名鉄国府宮駅より南へ徒歩約15分 ※駐車場あり)

4.選考内容
【第1次選考・課題曲】下記の協奏曲
   モーツァルト/ホルン協奏曲第4番変ホ長調 K.495 第1楽章〔カデンツァは任意のものとする〕

【第2次選考・課題】オーケストラスタディ
   ※オーケストラスタディは応募締め切り後郵送いたします。


5.応募方法・締切
履歴書(市販のものに写真貼付)に音楽歴を明記の上、下記事務局まで郵送、又は持参。
平成29年10月16日(月) 必着

6.その他
【応募に際して】国籍・年齢不問。伴奏者は各自同伴の事。選考にかかる費用は全て受験者の負担とする。
【待遇】当団の規定による。

履歴書郵送先 〒450-0003名古屋市中村区名駅南4-8-17-401
一般社団法人セントラル愛知交響楽団「オーディション係」

 

ドイツ留学記!

こんばんは!クラリネット奏者の箱﨑由衣です!

 

2016年の10月から1年間、ドイツのハンブルクに留学させて頂きました。ハンブルクは北ドイツに位置しています。綺麗で大きな港や、街の中心部にあるアルスター湖など水に囲まれた街でした。至る所に小さな橋がかかり、また中世の面影残る建造物もいちいち綺麗で、毎日楽しく散歩をしていました。特に北ドイツの夏は暑すぎず、乾燥した空気でからりとしていて、とても気持ちが良かったです。

 

ドイツに住んだ1年間は、自身初の海外生活だったこともあり、聞こえてくる音、声、音楽、街の香りや風、湿度、天気、食べ物など、とにかく全てが物珍しく、生きているだけでワクワクが止まらない時間でした。

一瞬一瞬が非常に掛け替えの無い時間で、たくさんのことから影響を受けました。

その中の1つにNDR(北ドイツ放送響/現エルプフィルハーモニー)のヴァイオリニストのお友達との出会いがありました。

彼のお祖母様が名古屋の緑区に住んでらっしゃったことがあり、まさかの名古屋繋がりで仲良くなりました。毎回NDRのコンサートに裏からこっそり入れてくれ、コンサート後にビールを飲みに行っていました。

とある試験前に彼と話している中で私は、本番変なミスしたらどうしよう、こわい、と嘆いていたのです。

それに対し、

 

なんでそんなことを気にしているの?ミスを気にして消極的になった音楽なんて誰も聴きたくないよ。そんなことより、いい音で演奏するんだよ。もし本番でミスがあったとしても誰も気にしないし、むしろそのミスをどうやって対応していくかってことのほうが大事なんだよ。

 

と、言われたんです。

その瞬間に私の中の価値観がぐるんと180度回転し、ストンと落ち着いた気がしました。

 

NDRのブラームスのシンフォニー全曲コンサートで第3番の演奏中、1stクラリネットの方にアクシデントがあり1楽章頭の長いソロがほぼまるまる落ちてしまっていたことがありました。その演奏を聴いていた私は、つい当事者の気持ちになりハラハラして心臓が止まりそうになったのですが、当の本人はその後も冷静に素晴らしい音楽を奏で、曲が終わる時には指揮者から立たされて拍手喝采を浴びていました。

オケのメンバーも、お客様も、失敗部分よりも彼の素晴らしい音楽を聴いているのです。

音楽は怖がってするものではないし、ミスを探しながら聴くものでもないんですよね。

そんなことを体感できたことは、余計な邪念を祓い、真摯に曲、音と向き合う上でとても素晴らしい経験となりました。

 

本日のコンサートも、どうぞ音を楽しんで聴いていただけたらと思います!

 

※6月16日(金)第155回定期演奏会プログラムより掲載