10月の誕生石「オパール伝説」 | ジュエリーブティックセントラル

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         元老ノニウスが命より大切にしたオパルス
 
 ローマ時代を代表するオパールで有名なものに、プリニウスの『博物誌』に記された「ノニウスのオパール」があります。
 
 ローマの元老院議官のノニウスが所有していたオパルスは、ハシバミの実ほどの大きさで、当時のお金にして200万セステルティウスと評価されていました。このノニウスのオパールに目を付けたのがアントニウスでした。ノニウスに譲ってほしいと頼みますが、ノニウスはたとえ相手がだれであろうと譲る気はありません。アントニウスは怒ってノニウスを追放します。その理由はハシバミの大きさのオパルスを所持していたという、ただそれだけの理由でした(この真相については、アントニウスが欲しがったのはクレオパトラに贈る約束があり男のメンツにかけてのことだった、という説が一般的)。
 
 しかし、ノニウスもさるもので、全財産の中からそのオパルスの嵌った指輪だけを所持してローマを去ったというのです。プリニウスは、私見として、
 
 「たった一個の宝石を持っていたという理由だけで持ち主が追放されるというのは、驚くべき野蛮な気まぐれ行為としか言いようがないが、それを持って逃げたノニウスも、驚くべき(恐れを知らぬ)頑固者である。動物だって自分に危険が襲ってきたら、体の一部を引き裂いてでも、そこに残して逃げるというではないか、自分たちはそう信じてきた。」と驚きを隠しきれません。このノニウスと言う人物についてもプリニウスは、「以前(自分の席ではないのに)高級政務官の席に腰をかけていて、それを見た詩人のカトゥルマを怒らせてしまったノニウス・ストゥルマの息子である」と、遠まわしに無神経な父の血を引いている人だとも触れています。
                                                                  次回につづく
 
 
    ちよっと贅沢、ちよっとオシャレな宝飾文化のメッセンジャーをめざして・・・