9月の誕生石「ラピス・ラズリ」 | ジュエリーブティックセントラル

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            浄瑠璃姫と義経の悲恋物語
 
 ラピス・ラズリの青の中に点在する金の斑点は、ちょうど空に浮かぶ星をイメージさせることから、宇宙の象徴として仏教でもその輝きを瑠璃光と呼称。『阿弥陀経』、『般若経』、『法華経』、『無量寿経』など、多くの経典に極楽浄土を彩る七宝の一つとして登場しています。そうしたことから、魂の浄土(悟りの世界)への導きが薬王としての薬師如来(薬師瑠璃光如来)と結びつき、室町時代には瑠璃には薬師如来が宿ると信じられるようになり、それに伴う瑠璃伝説が誕生しました。
 
 その代表的な伝説が邦楽の「浄瑠璃」の起源になったとされる「浄瑠璃姫伝説」といえましょう。もとは遊女の浄瑠璃御前(薬師如来の化身)と、牛若丸(源義経)の悲恋が平家琵琶で民衆に語られていたのですが、江戸時代になって「小野のお通」と言う女性が『浄瑠璃十二段草子』という語り物に脚色。あらたに三味線も加わって文楽の人形で演じて大流行しました。新しい音楽「浄瑠璃」の誕生です。ちなみに、この浄瑠璃から派生して常磐津、清元、新内など邦楽の多くが生まれました。
 
 さて物語の方ですが、浄瑠璃姫と義経の出会いは、承安四年(1174)春、義経が藤原秀衡を頼って陸奥に向かう途中で、三河の矢作に立ち寄り長者の館に世話になることになりました。この館の美しい娘が「瑠璃」でした。そして二人はいつしか深く愛し合うように。ところが、義経には源氏再興と言う大望が控えており、この里でゆっくりしているわけにはいきません。苦しむ義経は、母の形見の横笛を瑠璃姫に預け、必ず迎えに来ることを約束して出発します。一人残された瑠璃姫は義経の大願成就を願って自らの命を絶ってしまうのでした。西洋では瑠璃には「犠牲」、「薬」などの意味がありますが、この話でも義経にとっての瑠璃は、心の拠り所となった元気薬。大望への犠牲ではなかったか、と考えてしまうのはわたくしだけでしょうか。
 
     
    ちよっと贅沢、ちよっとオシャレな宝飾文化のメッセンジャーをめざして・・・