
1900年パリ万博出品作 《月に叢雲文七宝硯箱》
1900年パリ万博の記録に「蓋表の月に叢雲図を無線七宝、蓋裏と見込みの浪と千鳥文を金と銀の有線七宝とした作品」が出品された事実が残されており、本作がそれに当たるものと考えられています。「浪と千鳥」は取り合わせの良いものとして、題材としてよく使われています。万博出品作は、日本国を代表するにふさわしい名品と言えるものです。
☆ 富木庄兵衛(とみきしょうべい)
名古屋市桶屋町(現在の名古屋市中区錦2丁目付近)の七宝工である富木は、明治15年に(1882)に開業しました。明治26年(1893)シカゴ万博に出店以降、国内外博覧会で数々の賞を受賞、明治後期の名工としてしられています。ちなみに当時の桶屋町は、当時尾張藩御用達の桶職人が住んでおり、桶製造の中心地でした。
☆ 有線七宝
有線七宝とは、銅や銀などの素地(胎)に描かれた下絵の線に沿って、細いテープ状のの金属線(主に銀線)を立てて輪郭をつくり、線で仕切られた隙間に釉薬を指して焼成、研磨する、尾張七宝の代表的な技法です。
出来上がった際の目に見える線の幅は0.06mm程度。線で仕切られた無数の隙間に針先を使って釉薬を指して行く作業は気が遠くなるような忍耐力が必要です。
有線七宝は、フランス語で「クロワゾネ」といいます。画家ゴーギャンの《黄色いキリスト》のように、輪郭を際立たせ、その中を塗り絵の様に単色に塗り込む手法を「クロワゾニズム」と呼びます。語源は中世ステンドグラスの仕切りの意味で、クロワゾネが有線七宝であることと語源的に深い関係があります。
日本の浮世絵の技法が「クロワゾニズム」に深く関与したとされています。

ちよっと贅沢、ちよっとオシャレな宝飾文化のメッセンジャーをめざして・・・
私ども、セントラル宝石は12年前から中嶋邦夫氏のエマイユジュエリーを取り扱っておりますが、2008年の諏訪の北澤美術館につづき、今回また、ヤマザキマザック美術館での4カ月に渡る先生の作品の展示は私どもにとっても大変嬉しいことでございます。
お店の店頭にも中嶋先生の作品が常時20点ぐらいはございますので、ご興味のあるお客様にはぜひ
一度ご覧頂きたく心よりお待ち致しております。(定休日 毎週水曜日)