2月の誕生石「アメシスト」 | ジュエリーブティックセントラル

ジュエリーブティックセントラル

宝飾文化のメッセンジャー

    誠実と豊穣のシンボルとして
         輝かせたベラスケスの信仰心
「バッカスのアメシスト物語」が伝説として流行した16世紀~17世紀にかけて、アメシストは聖なる石として一段と輝きを増して行きました。ここスペインにおいても例外ではなく、時の王フェリペ四世に使える宮廷画家ベラスケスも、ギリシャ神話を愛し、アメシストの気品を愛する一人でした。
 
 彼はアメシストの精神そのままに他の王宮からの甘い誘いにも迷うことなく、自分自身の才能に酔うこともありませんでした。その真摯な態度と卓越した芸術センスが王の心を独り占めにし、単なる王宮の画家にとどまらず、衣裳係を経て、1652年には王宮配室長(侍従長)に昇進しています。
 
 ベラスケスは晩年、王のために豊穣をモチーフにした宝石のデザインを考案。それはアメシストでできた一粒のブドウの実が、金とエメラルドで飾られた冠をかぶっているものでした。王はさっそく、王宮の宝石職人に作らせましたが、残念なことに出来上がったのは、ベラスケスがこの世を去って数ヵ月後のことでした。
 
 1661年、まるでベラスケスの生まれ変わりのようにカルロスⅡ世が誕生。フェリペ王はカルロスⅡ世にそのアメシストを譲ると、自分もまたベラスケスの後を追うようにこの世をさりました。わずか四歳で王位を継承したカルロスは、それを伯父であり義兄でもある神聖ローマ皇帝レオポルト一世に贈ります。
 
 高僧の石といわれたアメシストが頂点を意味する冠をいただいているそのモチーフこそ、神聖ローマ皇帝にふさわしい贈り物と言えましょう。こうして伝説に始まったバッカスのアメシストは信仰深い精神と豊穣をもたらしながら、ハプスブルク家代々に受け継がれていきました。現在このアメシストは、ウィーンの美術史美術館に所蔵されています。
 
    ちよっと贅沢、ちよっとオシャレな宝飾文化のメッセンジャーをめざして・・・