僕は歩く
倒れて動けなくなるために
黙々と歩く
どこまでも ついて来んなよ このどうしようもない命め
疲れて立ち止まりたい
空腹も要求をしてきた
いいや ダメだ
そうはさせない
息が上がる
体が重くなってきた
フラフラと歩く
弱いのに しぶといんだよ このどうしようもない命め
疲れて座り込んだ
意識が朦朧としてきた
いいぞ そうだ
その調子だ
けれどダメだ
座ってちゃダメだ
命に追いつかれる
まだだ まだまだ 逃げ続けなきゃ
やっぱダメだ
限界で 座り込んだ
やっぱダメか
弱いのは 僕の方か
意識はぼやけたままで
空腹の警報だけが響く
体が動かなくて
ずっとうずくまっていた
『 ちょっとキミ
ずっとしゃがみ込んでいるけど
具合でも悪いか? 』
…やめとけよ 話しかけんなよ このどうしようもない輩に
疲れて声も出ない
空腹が代わりに喋った
『 そうか なるほど
ちょっと待ってろ? 』
しばらくして
走ってオヤジが戻ってきた
飄々と笑う
ビニールが 差し出される
『 これ食べろ 旅で金がないんじゃないの? 』
中には お茶とおにぎり
おっさんはすぐに去っていった
なんだ? これは
わけが分からん
けれど食べた
…おいおい ダメだ!
命が戻ってきちまう
ダメだ 食べるな 飢え続けなきゃ
やっぱダメだ
空腹で 止まらなかった
やっぱダメだ
弱いのは 相変わらずだ
けれど なんだよ…
涙が出るほどうまいんだ
涙が溢れて 泣きじゃくった
再び歩き出した
しばらくして足が止まる
どうせ歩くのならば
あの優しさがいた道を