通期と中間決算後での注目点

 

半年に1度、大株主の株主構成が出されます。

詳細はEDINETで調べられます。

決算発表日の数日後にEDINETに記載されるようです。

 

 

基本的に注目すべきは年金基金の動き。

年金積立金管理運用独立行政法人(以後GPIFと表示)

アベノミクスで年金の運用を国内債券、国内株主、外国債券、外国株式に均等に25%づつ投資していくことになっています。

運用額は今年2月時点で224兆円。

国内株式は24.66%で55兆8258億円となっています。

日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)、㈱日本カストディ銀行(信託口)などの信託銀行系がGPIFの代わりに大株主として登場しています。

GPIFはESG投資を推奨しています。

ESGは環境(気候変動)・社会(ダイバシティ)・ガバナンス(取締役会の構成)の英語の頭文字です。

ダイバーシティとは、人々の多様性を活かした企業経営への取り組みを意味する。

取締役会の構成とは取締役会の女性比率など。

GPIFでは法令で個別企業に対する選定ができないので個別銘柄は13の運用会社に一任している。

 

24年2月21日付

GPIF の国内株式運用機関が選ぶ「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」

【4機関以上の運用機関から高い評価を得た「優れた統合報告書」】

 伊藤忠商事 6 機関 

 双日 4 機関 

 アサヒグループホールディングス 5 機関

 三菱UFJフィナンシャル・グループ 4 機関 

 日立製作所 5 機関

 

〇伊藤忠商事 ・毎回のことながら岡藤 CEO のメッセージは秀逸。統合報告書の章立てが、企業価値、創出価値、成長率、資本 コストという式で出来ているのが面白い。企業価値向上にむけたストーリーが分かり易い。 ・CEO メッセージも相変わらず迫力ある中、今年度は人材戦略の特集がデータも充実しており読み応えがあった。 上場子会社のガバナンスも含め、ガバナンスの記載も有益である。 ・総合商社として多様な事業に携わる中で、それぞれの事業に関連性の高いリスク・機会の分析、およびそれに 対する事業投資の考え方が詳細に記載されている点を評価。財務・非財務の取り組みと進捗の分析も充実して おり、投資家にとって有益な情報源となっている。 ・読み手の理解促進を意識した構成である。ロジックツリーや PEST 分析等の具体的な図式、人的資本の PDCA サ イクル等、財務・非財務の各側面において高水準の統合報告書である。 ・財務・非財務(人的含む)資本の PDCA を確認でき、前期からの課題や施策、取組状況、新たな課題まで、時系 列を意識した組立を評価。また、すべての施策は「三方よし」の企業理念に帰結する一貫性が確認できる。 ・最高峰の報告かつ統合思考による経営が行われている。中長期的な価値創造力を各ステークホルダーとの関係 でわかりやすく示している。持続可能な価値創造のためのモデルが明確に定義されている。

 

 〇アサヒグループホールディングス ・サステナビリティの各施策がどのような事業・社会インパクトを生み出すのか、価値関連図の作成と検証を通 じて示している点を評価。 ・インパクトの可視化、人的資本の高度化、TCFD と TNFD の統合的対応など、先進的な取組みがなされている。 ・サステナビリティ経営を進める上で、事業活動がもたらす社会インパクトの可視化を試みている。また、TCFD に加えて、TNFD への対応についても取組内容が紹介されている。加えて、アルコール問題については、WHO の 対応を踏まえながら、同社のノンアルコール飲料などの販売目標が開示されている。 ・ホールディングのサステナビリティ推進責任執行役員と、欧州、オセアニア、東南アジア、日本の各リージョ ンのサステナビリティ責任者によるグローバルサステナビリティ戦略推進の対談を紹介。企業価値向上の説明 要因として説得力を高める効果があり独自性が高い。 ・網羅性と簡潔性を両立。バリューチェーンにおける強みと生み出す独自価値を明らかにし、ビジネスモデルの 堅牢さを的確に表現。サステナビリティと経営の統合を起点にビジネスモデルの高度化を図っている点を評価。 ESG は社会インパクトの可視化や価値関連図の作成と検証、ありたい姿を踏まえた R&D 戦略、TNFD 開示、農産 物生産者のウェルビーイング向上と安定調達の実現など前向きな取組みを評価。

 

 〇日立製作所 ・CFO が情報開示 WG を統括し企画・制作に全社がコミットしている体制がよく表れている。小島社長の 10 年の 構造改革の総仕上げという言葉が心強くサステナブル成長への確信度が高まる内容となっている。 ・CEO メッセージ、経営改革とガバナンスの進化など、変化の軌跡と長期的な方向性がわかりやすく、印象的な 統合報告書。 ・事業の成長をもたらす仕組みについての説明が充実しており、それを支えるガバナンスの説明が詳細に記述さ れている。また、サステナブルを企業価値の拡大に結び付けて説明がなされており、まさに「統合」報告書と 呼ぶのにふさわしい内容となっている。 ・昨年度と比較しボリューム(ページ数)が半減したが、それを感じさせない充実した内容であった。 ・グループ・アイデンティティを起点として、サステナブルな成長を実現するための要素を明確化し、経営戦略 に落とし込んでいる。また、監督と執行それぞれが実効的に機能していることが伝わる内容。事業・財務戦略 に関する説明は具体的かつ明瞭であり、サステナビリティに関する内容もガバナンスを中心に高い水準にある。

 

 〇双日 ・財務・非財務の取り組みについて、現状と中長期的な目標のギャップや課題の分析が充実しておリ、実態を理 解しやすい内容になっている。様々な事業に携わっているが、それぞれの取り組み方針や投資回収の進捗等、 透明性が高く有益な情報が提供されている。 ・D&I に関する開示が他社と比較し好印象を受けた。女性パイプラインの開示やライフイベントを含んだ女性活 躍推進の取り組みは評価ができる。 ・「経営戦略・事業戦略と連動した人材戦略」は、人材育成の方針・戦略・KPI が一貫したストーリーとして示さ れており人的資本に関する開示の模範例と言える。また、「サプライチェーン上の CO2 分析」は既存の GHG プ ロトコルでは商社の GHG 排出量の全体像を示すのが難しいという課題意識のもとで整理された意欲的な開示で ある。 ・商社全般レベルが高く甲乙つけがたいが、双日は特に成長ストーリーと財務規律及び人財や環境の目標とプロ セスの見える化がなされており分かりやすい。その上に、投資家向けに統合報告書説明会や社外取締役との懇 談(その動画も配信)など様々な形で、プッシュ型で伝えていく企業努力が素晴らしい。 

 

〇三菱UFJフィナンシャル・グループ ・CEO・CFO メッセージ双方において規律ある資本運営と ROE 向上への強いコミットメントが示されている。株価 やバリュエーションを踏まえグローバル水準を意識した高い視座の開示であることを評価する。 ・例年通り、読み応えのある CEO メッセージに加え、今年の CFO メッセージからは事業ポートフォリオの考え方、 株主価値向上に向けた取組みにおける課題意識がより明確に伝わる内容に更にアップデートされたことを高 く評価。 ・非常に明確な CEO メッセージの中で提示された各トピックに関して、各担当者のセクションへのリンクがあり 読み易い構成になっている。また、CHRO による人材 KPI の説明や従業員意識調査の結果の開示、グループ横断 で実施されている各種取組みのメンバーのコメントなど人的資本関連の開示が充実している。 ・ROE 向上に向けた要因分析や明確な資本配分および人材 KPI 等、財務・非財務の統合的思考と価値創造の一

 

 

 

例として上記最高評価の伊藤忠商事で記載してみます。

23年9月と23年3月の比較です。

マスタートラストは772万株保有を減らしています。

カストディは905万株保有を減らしています。

合計で1677万株です。

金額で922億円(株価5500円で計算)です。

時価総額9.3兆円なので、ほぼ1%です。

それでも現在株価6624円なので影響なしで上がってはいますねどね。。

 

上記の報告書から今後1年は下値が堅くなる予想ができると思います。

最終的には業績次第なのでしょうけど、このような見方もあるのを考えるのも面白いのではないでしょうか。

(5)【大株主の状況】

 

 

2023年9月30日現在

氏名または名称

住所

所有株式数

(千株)

発行済株式(自己株式を除く。)の

総数に対する所有株式数の割合(%)

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町2丁目11番3号

228,944

15.76

EUROCLEAR BANK S.A./N.V.

(常任代理人:株式会社三菱UFJ銀行)

1 BOULEVARD DU ROI ALBERT Ⅱ, B-1210 BRUSSELS, BELGIUM

(東京都千代田区丸の内2丁目7番1号)

123,085

8.47

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海1丁目8番12号

76,666

5.28

CP WORLDWIDE INVESTMENT COMPANY LIMITED

(常任代理人:株式会社みずほ銀行決済営業部)

21/F FAR EAST FINANCE CENTRE, 16 HARCOURT ROAD, HONG KONG

(東京都港区港南2丁目15番1号)

63,500

4.37

日本生命保険相互会社

大阪市中央区今橋3丁目5番12号

34,056

2.34

株式会社みずほ銀行

東京都千代田区大手町1丁目5番5号

31,200

2.15

SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT

(常任代理人:香港上海銀行東京支店カストディ業務部)

ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON, MASSACHUSETTS

(東京都中央区日本橋3丁目11番1号)

24,847

1.71

STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234

(常任代理人:株式会社みずほ銀行決済営業部)

1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA 02171, U.S.A.

(東京都港区港南2丁目15番1号)

24,398

1.68

朝日生命保険相互会社

東京都新宿区四谷1丁目6番1号

23,400

1.61

JP MORGAN CHASE BANK 385781

(常任代理人:株式会社みずほ銀行決済営業部)

25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM

(東京都港区港南2丁目15番1号)

18,293

1.26

648,392

44.64

 

(6)【大株主の状況】

 

 

 

2023年3月31日現在

氏名または名称

住所

所有株式数

(千株)

発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町2丁目11番3号

236,671

16.25

EUROCLEAR BANK S.A./N.V.

(常任代理人:株式会社三菱UFJ銀行)

1 BOULEVARD DU ROI ALBERT Ⅱ, B-1210 BRUSSELS, BELGIUM

(東京都千代田区丸の内2丁目7番1号)

109,510

7.52

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海1丁目8番12号

85,717

5.88

CP WORLDWIDE INVESTMENT COMPANY LIMITED

(常任代理人:株式会社みずほ銀行決済営業部)

21/F FAR EAST FINANCE CENTRE, 16 HARCOURT ROAD, HONG KONG

(東京都港区港南2丁目15番1号)

63,500

4.36

日本生命保険相互会社

大阪市中央区今橋3丁目5番12号

34,056

2.34

株式会社みずほ銀行

東京都千代田区大手町1丁目5番5号

31,200

2.14

STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234

(常任代理人:株式会社みずほ銀行決済営業部)

1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA 02171, U.S.A.

(東京都港区港南2丁目15番1号)

23,941

1.64

朝日生命保険相互会社

東京都新宿区四谷1丁目6番1号

23,400

1.61

SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT

(常任代理人:香港上海銀行東京支店カストディ業務部)

ONE LINCOLN STREET, BOSTON MA USA 02111

(東京都中央区日本橋3丁目11番1号)

20,330

1.40

JP MORGAN CHASE BANK 385781

(常任代理人:株式会社みずほ銀行決済営業部)

25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM

(東京都港区港南2丁目15番1号)

17,762

1.22

646,089

44.36