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トピックⅠ 公的年金制度2
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前号で公的年金の制度や仕組みの話をいたしましたが
今回は実際にどういった場合に年金を受給できるのか
確認していきたいと思います。
年金保険料を未納にしておくと
受給要件を満たさなくなる場合があるので
その点も注意が必要です。
□ 老齢基礎年金、老齢厚生年金
年を取った時に受給できるもののうち
国民年金から支給される年金を「老齢基礎年金」
厚生年金保険から支給される年金を「老齢厚生年金」と言います。
(1)年金の受給要件
①原則65歳に達した時
②保険料を10年(120か月)以上収めていること
②の10年以上の要件は、
『納付している月数』+『免除月数』+『合算対象期間』
を合計した月数で計算されます。
『免除月数』とは、前号で説明した通り、
所得が少ない方については申請することにより、
全額もしくは一部保険料の免除が認められる制度を
利用した期間を指します。
『合算対象期間』とは、年金額には反映されませんが
10年の受給資格期間に含まれる期間のことを言います。
例えば国民年金の加入が任意だったころに
加入していなかった期間がある方などが該当となります。
(2)年金の額
国民年金分である老齢基礎年金は、
保険料を支払っていた月数で計算され、
厚生年金保険分である老齢厚生年金は、
保険料を支払っていた月数と標準報酬月額で計算されます。
国民年金は、
原則20歳から60歳の40年間加入することができ、
この40年の全期間を収めた方は
1年間に老齢基礎年金の満額780,100円の額を受給できます。
(平成31年4月から1年間の金額)
老齢厚生年金の額は、今までかけていた標準報酬の額によって
人ごとに計算が異なるため、日本年金機構から届く
ねんきん定期便や、裁定通知書等で金額を確認してください。
なお、年金額は毎年見直しされるため、変動します。
□ 障害基礎年金、障害厚生年金
障害の原因となった病気やケガについて初めて病院で受診した日が
国民年金、厚生年金保険に加入している間にある場合
(これを「初診日」といいます)、
障害基礎年金、障害厚生年金が受給できる可能性があります。
また初めて病院へかかったのが
20歳前であって年金に加入していない期間(20歳前傷病)だった場合、
初診日前に保険料を納めていないにも関わらず
障害基礎年金を受給することができます
(ただし所得が高い場合は受給停止になる場合あり)。
(1)年金の受給要件
・国民年金、厚生年金保険に加入している間に
初診日(病院で受診した日)があること
・一定の障害状態にあること
・保険料を収めていること(初診日の前日で判断)
①初診日のある月の前々月において、
保険料の納付および免除期間が3分の2以上のあること
②初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの
1年間に保険料の未納期間がないこと
なお、20歳前傷病については、保険料の納付要件はありません。
上記の要件から、65歳に達していなくても、
20歳以上65歳未満の方で障害があり、
保険料を納めているまたは免除申請をしている方についても
年金が受給できることがわかります。
前号で説明した通り、所得が少ない方については
保険料を未納にせず、きちんと免除申請を行いましょう。
(2)年金の額
障害年金は障害の状態により、
障害基礎年金1級、2級、
障害厚生年金1級、2級、3級、または障害手当金
に区分され、その等級により金額が決定します。
なお、障害基礎年金の1.2級に該当する方で
厚生年金保険に加入している間に初診日がある方については
障害基礎年金、障害厚生年金の両方が受給できます。
~障害認定基準 日本年金機構~
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/ninteikijun/20140604.html
平成31年4月現在の金額は年額で下記の通りとなります。
障害の状態が安定し、障害手当金の要件に当てはまる人には
一時金(一回限り、厚生年金のみ)が支払われます。
障害基礎年金 障害厚生年金
1級障害 975,125円 (報酬比例年金額)×1.25
+子供の加算 +配偶者加給年金額
2級障害 780,100円 (報酬比例年金額)
+子供の加算 +配偶者加給年金額
3級障害 (なし) (報酬比例年金額)
※最低保証 585,100円
障害手当金 (なし) (報酬比例年金額)×2
(一時金) ※最低保証 1,170,200円
2級以上だった場合に、要件を満たす子または配偶者があれば
一定額が加算されます(加給年金)。
子供の加算の額は(※子の要件は遺族年金の項を参照)
1.2人目の子 各224,500円
3人目以降 各 74,800円
配偶者加給年金の額は、224,500円となります。
□ 遺族基礎年金、遺族厚生年金
国民年金、厚生年金保険に加入している方
または加入していた方が亡くなった場合、
その方によって生計を維持されていた
遺族が受け取ることができる年金です。
(1)年金の受給要件
【遺族基礎年金】
・国民年金に加入している間に、
もしくは老齢基礎年金の受給要件が25年以上
あるものが死亡した場合
【遺族厚生年金】
・厚生年金保険に加入している間に、
もしくは厚生年金保険加入中の傷病がもとで
初診日から5年以内に死亡した場合
・老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が
死亡した場合
・1.2級の障害厚生年金を受けられる者が死亡した場合
【遺族基礎年金、遺族厚生年金共通】
・保険料を収めていること(初診日の前日で判断)
①死亡日のある月の前々月において、
保険料の納付および免除期間が3分の2以上のあること
②死亡日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの
1年間に保険料の未納期間がないこと
(2)支給対象者
【遺族基礎年金】
支給される方は、死亡した者によって生計を維持していた
①子のある配偶者
②子※
【遺族厚生年金】
①妻
②子※
③55歳以上の夫、父母、祖父母(受給開始は60歳から)
なお、30歳未満の子のない妻は5年間の受給となります。
※注:「子」について
ここでの「子」は
・18歳到達年度の末日(3/31)を経過していない子
・20歳未満で障害年金の等級1・2級に該当する障害のある子
を指します。
すべての方が受給できるわけではなく、
①の方が第一順位となり、①が死亡等で受給できない場合には
②、③の方が受給することになります。
(3)年金の額
【遺族基礎年金】
780,100円+子供の加算
なお、子供の加算の額は障害基礎年金同様、
1.2人目の子 各224,500円
3人目以降 各74,800円 となります。
※年金を受給するのが子の場合、加算は2人目の子からとなります。
【遺族厚生年金】
亡くなった方が受け取るはずだった老齢厚生年金×3/4(概算)
なお、国民年金加入者には遺族基礎年金が受給できない人に限り
保険料納付済み期間が10年以上である夫が
老齢年金等を受けずに死亡した場合に妻が受給可能な寡婦年金や
保険料納付済み期間が36か月以上ある被保険者の配偶者が受給できる
死亡一時金などもあります。
年金の受給にはその他いろいろな要件があるため
受給前には年金事務所や専門家に一度相談することをお勧めします。